サンスター、保湿成分配合エタノール製剤に抗ウイルス効果を確認

粧業日報 2023年2月7日号 5ページ

サンスター、保湿成分配合エタノール製剤に抗ウイルス効果を確認
 サンスターは、スキンケア化粧品に保湿目的で汎用される成分で、肌なじみが良く保湿効果が高いオリーブ果実油を配合した70%エタノール製剤の抗A型インフルエンザウイルス効果についてin vitro評価にて検証し、抗ウイルス効果があることを明らかにした。同研究成果は、「第45回日本分子生物学会年会」(2022年11月30日~12月2日)にて発表している。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延を機に、エタノール製剤などが様々な場所や場面で使用されるようになり、流行当初は頻繁なエタノール製剤の使用により、手の乾燥や手荒れといった声が多く聞かれ、2020年に実施したサンスターの調査でも1346名のうち約8割が「手荒れが気になる」と回答した。

 このように、手指衛生をしつつ肌を守りたいというニーズが高まる中、サンスターでは70%エタノールに保湿成分であるオリーブ果実油を独自の乳化技術により安定的に配合したしっとり感の得られる製剤を開発し、抗A型インフルエンザウイルスへの効果を確認すべく評価試験を行った。

 in vitro評価として標準化されたウイルス評価方法(ASTM E1052-20規格)に則り試験を行った結果、オリーブ果実油配合70%エタノール製剤をA型インフルエンザウイルスに60秒作用させると、99.999%以上(検出限界以下)不活化することが確認された。

 同社では、今回の結果を受け「エタノールによる手荒れを防ぎながら毎日の手指衛生を行える習慣づくりへの貢献が期待できる。今後は実使用での抗ウイルス効果の検証や、独自製法を活用した新たな製品への応用など、お客様のニーズに沿った製品開発を進めていく」とコメントしている。
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