ホシケミカルズ、独自の研究開発管理システムを構築

週刊粧業 2023年1月30日号 7ページ

カンタンに言うと

  • 海外進出支援とフェムテックに注力
ホシケミカルズ、独自の研究開発管理システムを構築
 ホシケミカルズでは、2001年に化粧品の全成分表示が義務づけられたことを受け、研究開発部内にデスクサポートチームを立ち上げた。

 発足当初から同チームの中心として活躍する岩根由佳課長に話を伺った。

 ――入社後、研究開発ではどのような業務に取り組んでいますか。

 岩根 デスクサポートチームでは、研究開発部の一般事務全般から薬事チェックを担うほか、表示名称に基づいて原料の選定を行い、正しい表示名称が記載されているかを調査し、研究開発部の処方開発をサポートしている。

 今でこそネットで検索すればすぐに表示名称や原料情報を確認できるが、デスクサポートチームが発足した当初は情報が不足しており、全成分表示に特化したデータベース化が必要だった。

 そのため、当社ではデスクサポートチームが中心となり、成分情報に関する対応スピードの強化を目的に、原料情報や処方データをシステムで一元管理する独自の研究開発管理システムを開発した。

 このシステムは、製品ごとに処方・原料・成分の情報が一括で表示され、成分に表示名称やINCI、規制の情報が紐づいている。処方を入力すれば全成分が表示され、さらに薬機法に加えて海外規制にも対応しており、20年前の当時は業界で画期的なシステムだった。

 ただし、システムが社内に浸透するまでは5年の歳月を費やし、さらに通常業務として取り入れられるようになったのは開発から10年経った後だった。

 20年経った今ではシステムの価値がしっかりと理解され、なくてはならない存在まで評価されているが、現状に満足することなく、時代の変化に応じてシステムのさらなるバージョンアップを目指していく。

 ――研究開発部で現在注力されている取り組みと、今後の抱負についてお聞かせください。

 岩根 昨今は、EPA(経済連携協定)を活用したタイ・ベトナム向けへの需要が増えている。当社ではタイやインドネシア、カンボジア、ミャンマーなどのアジア圏に加え、貿易部と協力してオーストラリアやドバイなどへの輸出実績がある。

 海外規制については顧問を迎え、常に新しい情報を収集しており、海外規制の対応強化によるクライアントのサポートにさらに注力していきたい。

 また、フェムテック市場が注目を集めていることから、化粧品に求められる機能や役割を根本的に突き詰め、当社の方針である安心・安全な製剤を目指して長期的な製品の開発をより一層進めていく方針だ。

 私自身はこれまで20年以上にわたってデスクサポートチームに携わり、現在は後進の育成に力を注いでいる。チームでは現在、新入社員からベテランに至るまで幅広い年代の社員8名が在籍しており、誰もが同じ仕事ができるよう個々のスキルアップを重視している。この1年でメンバーに任せられる仕事が増え、非常に頼もしく感じている。

 私は元々、幼少期からアトピー性皮膚炎で肌が弱かった。当社に入社してから基礎化粧品が身近なものとなり、薬で治療した後に基礎化粧品を継続的に使用することで肌が強くなり、スキンケアの大切さを実感した。

 薬事業務に携わる者として「化粧品は使い続けることで効果が出る」ということを使用するお客様と販売するクライアントに納得してもらえるよう、安心・安全で使い続けて喜ばれる化粧品の研究開発を今後も目指していきたい。
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