日進化学、製造設備を活かした対応を強化

粧業日報 2023年2月27日号 14ページ

カンタンに言うと

  • 生産性向上・付加価値創造を推進
日進化学、製造設備を活かした対応を強化
 国内3工場体制で化粧品OEM/ODMとエアゾール製造を行っている日進化学は2023年3月期、シャンプー&コンディショナーや洗顔料など洗浄系アイテムを中心に受注が増加し、増収で推移する見込みだ。

 髙田寛社長は、事業成長に向けて「生産性の向上と付加価値の創造をテーマに全社的に取り組む」と意気込む。

 ――今期は中期経営計画「NC VISION2023」の2期目ですが、振り返っていかがですか。

 髙田 売上目標には届かないが、前期に比べて6%前後の伸長で着地する見通しだ。

 コロナ関連でいえば、アルコール消毒液などの感染予防・対策品の受注はなくなったが、一方で、巣ごもり需要に対応してきたケア製品は今期も受注が堅調に推移した。新たな習慣として定着してきた感じはある。

 また、シャンプー&コンディショナーや洗顔料などインバス系・洗浄系の製品受注が好調に推移した。

 大きな釜を必要とするインバス系・洗浄系の製品は、当社が得意としてきたが、近年はそれらの詰め替え用パウチで2~3回分の大容量化も進んでおり、国内では対応できるOEM工場が限られている。

 事業戦略として、提案型のODMを強化しているが、売上のベースは受託製造のOEMだ。

 コロナ禍で人手不足の問題が深刻化したことなどを踏まえると、今後はコントラクト・マニュファクチャラーのような形でのアウトソーシング需要も増えてくると思われる。

 工場・設備の特徴を活かした受注対応を強化していく。生産性向上の意識を社内に根付かせ、QCDをさらに高めていく。

 ――中計最終年度の目標をお聞きします。

 髙田 コロナ禍も4年目を迎え、出口戦略も明確になってきた。インバウンドの回復も見られ、化粧品業界も活気づいてくる。来期も引き続き、生産性の向上と付加価値の創造に取り組んでいく。

 生産性の向上に向けては、機械化やDX活用を推進し、スマートファクトリーの実現を目指していく。

 付加価値の創造は、処方開発と営業提案の両輪で進める。処方開発は、原料や香料からこだわり、全方位型で提案できるスタイルを確立していく。
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