阪本薬品工業、RSPO対応やフリートレンド追い風に輸出が好調

週刊粧業 2023年4月10日号 20ページ

阪本薬品工業、RSPO対応やフリートレンド追い風に輸出が好調
 国内唯一のグリセリン専業メーカーで、100%植物由来のグリセリンからポリグリセリン脂肪酸エステルなどの各種誘導体までを一貫して製造・販売する阪本薬品工業では、欧米を中心に石油系原料から持続可能な植物由来原料への切り替え需要が高まっていることから、海外向けの販売比率が上昇を続けている。

 同社では、グリセリンの主原料となるパーム油の持続可能な生産と利用を促進する取り組み(RSPO)に賛同し、2017年5月にRSPOサプライチェーン認証を取得した。以来、RSPO MB(マスバランス)グレードに対応したポリグリセリン誘導体などの各種原料に対し、海外からの引き合いが高まっているという。

 海外では現在、ファンデーションやサンケアのカテゴリーにおいて、ノンシリコンやPEG(ポリエチレングリコール)フリーをコンセプトとしたナチュラル・オーガニック化粧品が増加傾向にあることから、ノンシリコンでありながら使用感が軽く、安定性の良い乳化処方の設計が可能なW/O乳化剤「親油性ポリグリセリンエステル(IS-201P/CRS-75)」の販売が好調だ。

 「各地域・エリアで原料に求められる機能や使用感が異なる。そのため、海外展開においては単に原料を販売するだけでなく、各国のレギュレーションも踏まえながら、2021年1月に開設したアプリケーションラボも活用し、現地で受け入れられやすいようにカスタマイズした関連処方例も併せて提案することを重視している」(同社)

 今後の海外戦略に関しては、輸出実績のある中国、韓国、台湾、ヨーロッパ、アメリカへの展開を引き続き強化していくほか、近年引き合いが高まっているASEANやインドなどのエリアにも注力していく方針だ。

 「ようやく海外のお客様にもアプリケーションラボが披露できるようになった。現地販売店との交流を深めていく」(同社)
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