資生堂、バイオベンチャーちとせGに出資と戦略協業契約締結

粧業日報 2023年7月21日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 藻類から化粧品原料や容器を作り、資源循環型ビジネスモデルを構築
資生堂、バイオベンチャーちとせGに出資と戦略協業契約締結
 資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」に基づき実践する人にも地球にも優しい化粧品づくりの一環として、藻類基点のサステナブルな新産業を構築するプロジェクト「MATSURI」を主導するちとせグループに10億円を出資し、研究開発を中心とした戦略協業契約を締結することを決定した。

 藻類を利用した化粧品原料・化粧品容器にかかる原料の開発、量産化、さらには将来的な食品産業に活用できる原料開発などを視野に、循環型のモノづくりを加速していく。

 太陽の力を元に、二酸化炭素からタンパク質・脂質・炭水化物などの多様な有機物を効率的に生成する藻類は、砂漠や荒地のような農業利用が難しい土地でも生産可能であり、かつ陸上植物と比較して圧倒的なバイオマス生産効率を誇ることから、有限な化石資源に依存しない新たな資源となる可能性を秘めている。

 同社はこれら「藻」の持つポテンシャルを最大化し、資源を枯渇させることのない、地球のシステムと一体となった循環型モデルをちとせグループとともに築き、グローバル化粧品市場を刷新するサステナブルな価値創造をリードしていく。

 「MATSURI」は、太陽光を唯一のエネルギー源とした藻類の大規模生産と事業化に強みをもつちとせグループが主体となり、藻類基点のサステナブルな新産業を構築するプロジェクト。様々な立場や業種の他機関と協働し、人々の生活を支える藻類製品を社会に普及させるべく多角的な用途研究開発と藻類生産の大規模化を同時に進めている。

 具体的には、2018年8月に0.1haの設備、2023年4月には5haの設備を竣工した。2030年に2000ha規模に拡大することを目指し、目下の目標として2027年には100haへの生産規模拡大を計画している。なお、計画に伴う、研究開発用途として2023年3月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金に総額500億円規模の事業として採択された。
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