花王、兵庫県養父市と連携協定を締結

粧業日報 2023年8月4日号 4ページ

カンタンに言うと

  • ドローン技術の活用で持続可能なサプライチェーンの構築と実装めざす
花王、兵庫県養父市と連携協定を締結
 花王は7月27日、兵庫県養父市とドローン技術を活用した持続可能なサプライチェーンの構築とその実装をめざす連携協定を締結した。

 今秋より連携協定に基づき、重量運搬ドローンに関する技術を有する会社などと協働し、養父市の山間部における、20kgの積載が可能な大型ドローンの自動運行技術を用いた一括運送・自動搬送ロボットと連携した配送無人化を目指す実証実験を実施する。

 同社は、多様化する生活者ニーズに柔軟に対応できるマーケティングとモノづくりに向けて、需給計画や生産・物流機能の最適化・自動化・一体運営など持続可能なサプライチェーンの構築に向け様々な取り組みを進めている。また、トラックドライバーの不足やeコマース市場の拡大による輸送量の増加など物流課題に対応するため、他メーカーや物流事業者、卸売業者、販売店などと広く連携してサプライチェーン情報を共有し、共同輸送など効率化を実現する共創型物流プラットフォームの構築にも取り組んでいる。

 一方で、自社の物流網を全国各地に有しているが、過疎地域や山間部では陸路輸送の負担が大きく、輸送自体が難しい場合もあり、物流維持のための効率化は持続可能なサプライチェーンの構築に向けた課題の1つとなっている。

 そこで今回、養父市の協力のもと、重量運搬が可能なドローン技術を活用し、花王が全国に有する物流拠点や市街地スーパーなどに併設したドローン広域供給拠点(ドローンデポ)から、遠く離れた複数の山間部の商店などへの一括供給を想定した実証実験を実施する。

 今回の実証実験で得られた知見を活かし、今後は、様々なドローン技術の特性を活かした実証実験を継続的に実施していく。2024年には、海上ルートを利用した長距離ドローン運送で時間短縮と効率化に向けた実証実験も検討するなど、花王の日用品物流の知見に加えてドローン技術を活用することで、新たに効果的な物流網の構築と社会実装・定期運航を目指し、順次取り組みを進めていく。

 今回の取り組みは、2021年7月より花王グループ全社員を対象にスタートした、社員一人ひとりが持つアイデアを公募し、事業化や社内構造改革等を実現させる制度「01Kao」(ゼロワンカオウ)における具現化の第2弾となる。
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