エフシー中央薬理研究所、人材と設備への投資を積極化

週刊粧業 2023年8月21日号 9ページ

カンタンに言うと

  • 数年後の工場新設を見据えて
エフシー中央薬理研究所、人材と設備への投資を積極化
 エフシー中央薬理研究所は、マスク着用の常態化でメークは苦戦を強いられたものの、スキンケアの受注を着実に増やし、前期(2023年6月期)の売上はその前の期を上回る形で推移した。

 東京営業所 企画部門 部門長の丸山友成氏は前期を振り返り、「数年前まではご依頼いただいた案件をこなすことがメインだったが、現在は複数の提案品を揃え、提案営業を行う体制が整いつつある。提案品のラインナップを充実させるとともに、情報感度を高めることで製品化に至る確率を上げていきたい」と語った。

 一方で、利益については原料・資材価格上昇の影響を大きく受けた。物価高騰分の価格転嫁が進まない中、「他社が二の足を踏むような難解な案件を着実に取り込んでいくことで、収益性をさらに引き上げることが重要だ。それを実行に移すことで競争優位性を高めていくとともに、成功体験を積み上げていく。また、市場にない新しい製品を継続して世に送り出せるよう生産・研究体制の変革にも取り組んでいきたい」(丸山氏)という。

 生産効率の向上に向けては、「省人化、効率化の観点から設備投資を行い、機械化を積極的に進めている。現在、モデルラインをつくり、そこに投資を集中させ、その動向を確認しながら他ラインに横展開することに取り組んでいる。充填機の更新やシール機の増設も進めており、そうした成果が今期以降、現れてくることを期待している」(村松瑞樹工場長)という。

 2023年は、マスク着用ルールの緩和に伴いメークの需要回復が期待され、実際に受注状況も改善傾向を示しているという。前期には、湿式タイプのパウダープレスが可能な湿式充填機の導入を済ませており、これをフル活用することで売上拡大を図るとともに、メークに強い会社であることをアピールしていく。

 同社では、長期的な人材育成ビジョンのもと、今年度より初となる新卒採用を開始した。

 「持続的な成長を図っていくうえでは優秀な人材の獲得は不可欠であり、即戦力となる中途社員の採用を進める一方、将来の幹部候補となる新卒者の採用を今年から始めた。教える側に立つことによる先輩社員の能力向上や、新卒社員の柔軟な発想や視点を取り込むことによる社内の活性化、組織力の向上を期待している」(村松氏)

 また、中長期の成長戦略に基づき工場の新設を計画している。すでに造成工事を済ませており、新規取引先や売上が想定ラインを超えた段階で着工を進めていく考えだ。
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