東洋ビューティ、確度の高いODM提案の実現へ

週刊粧業 2023年8月21日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 独自処方を紹介するメルマガも開始
東洋ビューティ、確度の高いODM提案の実現へ
 化粧品ODM/OEM国内大手の東洋ビューティは、営業と開発・製造の連携を深め、顧客対応力を底上げする。

 小井戸利行常務は、「顧客ニーズを把握する社内インプットの精度を高め、効果的にアウトプットできる体制強化を図っていく」と話している。

 ――2023年12月期上期の状況をお聞かせください。

 小井戸 既存顧客のリピート受注で一部伸び悩みが見られたものの、ヘアケアを中心に新規案件の引き合いや獲得が進んだ。

 5月の展示会(CITE JAPAN 2023)では、新たな開発製品を中心に種まきすることができ、サンプル依頼などに対応している。来期での結実に期待したい。

 また、昨年後半あたりから、中国企業を中心に工場の見学が増えてきている。国内・海外の企業を問わず、当社への理解を深めていただき、関係性を築いていきたい。

 ――昨年から原材料高騰が続いていました。その影響は。

 小井戸 原料価格は全体的に一時期より落ち着いてきたものの、電気代の高騰など利益を圧迫する要因は他にもあり、安心はできない。佐賀工場をはじめ各工場で1人当たりの労働生産性を高めていく必要がある。

 また、原料に関しては、終売されるものも増えてきている。安定供給を目的に、特殊な原料などは自社在庫を増やしているが、併行して原料置き換えも適宜進めていく。

 ――下期以降、重視する取り組みは。

 小井戸 効率的なアプローチを意識したODM提案を推進する。

 トレンドの変化も早まり、開発から納期までのスピードがより重視され、確度の高い提案が求められている。アウトプットの質を高めるには、社内でのインプットが重要になるため、日々の営業活動では生産性や効率の意識を高めていく。

 これは、顧客の間口を狭めることではない。顧客ニーズを把握し、合格点に近いところから提案をスタートできる体制を整えることで、効率的なアプローチを実現していく。

 その取り組みの一環で、今年から顧客向けに月1回のペースでメルマガ配信を開始した。日々の営業活動で得た情報をもとにテーマを設定し、それに沿って独自開発した処方を紹介している。メルマガへの反応をもとに、紹介したテーマや開発処方に興味・関心を持たれた方を絞り込み、提案営業の付加価値の向上を図っていく。
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