ポイントピュール、独自の研究開発により差別化図る

週刊粧業 2023年9月25日号 9ページ

カンタンに言うと

  • 今後の提案として育毛効果に注目
ポイントピュール、独自の研究開発により差別化図る
 ポイントピュールでは、沖縄素材を活用したストーリー性のあるOEM提案のほか、幅広いヒト幹細胞培養液のラインナップも強みとしており、現在では、問い合わせの約半数をヒト幹細胞培養液関連が占めている。リピート率も高く、数年で同社における柱の1つに成長してきた。

 市場拡大とともに競合他社が増えているものの、原料提供からOEMまで一貫して対応できるため、比較的リーズナブルな価格を実現しており、コスト面におけるメリットも強みとなっている。

 さらに、白金ナノコロイドを付着させる加工を施したグレードの提案も行っており、独自の研究開発で他社との差別化を図っている。

 白金ナノコロイドは浸透性が高く、タンパク質への吸着性に優れているため角質細胞の間を埋め、角質間脂質を安定化させることができる。また、エキスがナノ化されているため浸透力に優れ、細胞のレセプターと結びつきやすく、ヒト幹細胞培養液エキスに含まれる成長因子の働きを最大限に引き出せるという。

 そのほか、新たに国内で培養した骨髄由来のヒト幹細胞培養液の提案をスタートするなど、ラインナップの強化にも取り組んでいる。

 「ヒト幹細胞培養液OEMの提案としては、現在、美容液のニーズが最も多いが、今後の展開として育毛効果に注目しており、他の育毛成分と組み合わせた形での提案を行っていきたいと考えている。スカルプケア関連や皮膚への浸透、紫外線を受けた肌への効果など、さらなるデータの拡充に努め、引き続き他社との差別化に取り組んでいく」(代表取締役 大道敦氏)

 9月27日~29日に大阪で開催される化粧品開発展にも出展予定で、サンプル製剤とともにヒト幹細胞培養液OEMの提案を行うほか、フェムテックやメンズコスメなど、様々な切り口を用意しているという。

 なお、既存原料に付加価値をプラスする取り組みにも力を注いでおり、3D化や超高圧抽出、発酵など、多方面からアプローチを行っている。

 さらに、「Ryu Spa」をはじめとしたオリジナルブランドの展開や、実店舗の運営も行っており、それらをマーケティングの場としてOEM提案に活かしている点も強みといえるだろう。

 Ryu Spaでは、焙煎過程のガラや、焙煎抽出後のコーヒー種子から抽出した「コーヒー種子エキス」を使用したバスアイテムを開発し、クラウドファンディングを実施した。売上の一部を久米島の海を守る会へ寄付や、久米島産コーヒーの普及活動にあてるといい、地域産業の活性化に貢献するサステナブルな取り組みとなっている。

 今後については、ヒト幹細胞培養液も1つの柱としながら、多方面からのアプローチで、さらなる成長を目指していく。
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