ライオン、「衣類のロングライフ化」に関する調査を実施

粧業日報 2023年10月11日号 5ページ

カンタンに言うと

  • 衣類の平均寿命が最も短命なのは白Tシャツで3.5年
ライオン、「衣類のロングライフ化」に関する調査を実施
 ライオンは、衣類を購入してから着なくなるまでの期間を延ばす「衣類のロングライフ化」により、環境省が推奨する環境負荷を考慮したサステナブルファッションの推進にも貢献できると考え、今回、「衣類のロングライフ化に関する調査」(6月23~26日、n=1000、20~60代で男女各100人)を実施した。

 調査の結果、「平均寿命」が短命な衣類には、白Tシャツの3.5年をはじめ、トップスが多いことが明らかになった。これらの衣類を着用しなくなった理由は、黄ばみ・黒ずみ・色あせなどによる「色変化」を挙げる人が多く、7割以上の人が色変化を理由に衣類を廃棄し、その金額は年間1人当たり1万3000円以上にもなった。

 洗濯で最も多いトラブルは「色変化」で、洗濯トラブル経験者の約7割が経験しているが、「洗濯をすればするほど、衣類の色変化は起きてしまう」と考える人が多く、洗濯、すなわち洗剤による洗浄と色変化防止は両立できないと諦めている実態も明らかになった。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いて外出機会が増える中、恋愛やビジネスシーンにおいて色変化をした衣類がネガティブな印象を与えることや、サステナブルファッションの広まりを背景に、色変化を防ぎ、衣類のロングライフ化を実現する新しい衣料用洗剤が求められていることも明らかになっている。

 調査対象者全員に、日常的に着用する衣類について、購入してから着なくなるまでの期間を回答してもらい、衣類の平均寿命を明らかにした。その結果、最も短命だったのは「白Tシャツ」(3.5年)となった。その他、「ワイシャツ」(3.9年)、「黒・紺系Tシャツ」(4.2年)、「ポロシャツ」(4.5年)、「ブラウス」(4.6年)が、短命の上位にランクイン。いずれもトップスが上位を占める結果となった。

 服を着なくなった理由について尋ねたところ、「たるみ、ちぢみ、ほつれなどの損傷」に次いで、「黄ばみ・黒ずみ」「色あせ」といった「色変化」が多い結果となった。さらに短命衣類の上位5項目に絞ってみると、いずれも「たるみ、ちぢみ、ほつれなどの損傷」よりも「色変化」に当たる項目が上回り、白Tシャツやワイシャツは、約6割の人が「黄ばみ、黒ずみ」を、黒・紺系Tシャツは、約5割の人が「色あせ」を理由としている。

 色変化を理由に衣類を廃棄したことがある人はは約7割にも及ぶことから、調査では、衣類の種別ごとに1年間で色変化を理由に廃棄した枚数と、購入時の平均的金額を尋ね、1人当たりの廃棄している衣類の金額を割り出した。その結果、1人当たり年間1万3475円分の衣類が色変化によって廃棄されていることが明らかになった。

 自分自身あるいは同居家族が洗濯をしたことで洗濯トラブルが起きた経験の有無について尋ねたところ、約8割の人が洗濯トラブルを経験していた。日々の生活に欠かせない洗濯だが、正しい洗濯方法を学ぶ機会も少ないことから、トラブルが起きやすい家事のようだ。トラブルを経験した人にその内容について尋ねたところ、「色変化」に関するトラブルを約7割の人が経験し、最も多い洗濯トラブルという結果になった。
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