クロバーコスメイク、日本のブランド力向上に尽力

週刊粧業 2023年10月16日号 59ページ

クロバーコスメイク、日本のブランド力向上に尽力
 弊社はメイクアップ化粧品専業のOEMでありますが、取り巻く状況はこの5年間で大きく変わりました。平成の世の晩年はインバウンド需要で受注は過熱気味で、弊社だけでなく業界全体で設備投資や新工場建設が積極的に行われていたという認識でした。

 しかし、令和の時代に入るや新型コロナウイルスが世界を席巻し、ステイホーム、リモートワーク、マスク着用の常態化といった、ポイントメイクにとっての逆風が吹き荒れました。

 ここに来て、ようやくメイクアップ化粧品の需要も回復しつつありますが、アジアの中では韓国コスメや中国コスメの台頭が著しく、コロナ禍の3年間で日本のコスメブランドのプレゼンスが大きく変化したのではと危惧しているところです。

 それに加えて、アジアの市場でも変化が見えて来ています。中国の巨大マーケットのbuying powerにも陰りが見え、一方でインドやインドネシア、ベトナムといった国々は人口増加に伴いGDPも伸長し、アジア市場の構図にも変化がはっきりと出てきました。

 弊社は2030年までの中長期計画をコロナ禍の中に打ち出し、実現に向けて動いています。計画には、生産効率化や従業員の働く環境の改善、海外進出など普遍的な目標が織り込まれていますが、世の中のニーズをより消費者に近いところでつかむことを狙いとする目標も加えています。弊社の製品に対する処方技術や生産する上での品質だけでなく、eコマースの多様化にも対応した商品や弊社の体制が求められると考え、お客様の多様なニーズに応えられるネットワークの構築に取り組んでいます。

 テクノロジーの進化により、生産工程の機械化や管理工程のAI技術による効率化は進めるべきと考えています。しかし、一方で最終的な品質を作り上げるのは、やはり優秀な人材であると考えています。

 今期の取り組みとして、人事評価制度の見直しを行っています。各部署の評価するべきポイントと評価されたいポイント、仕事を遂行するスキルだけでなく、仕事を進める中での姿勢や思考、目標に対するコミットする力など、評価の在り方も多様化を進めています。

 その狙いは、従業員の在りたい姿と会社の思う在って欲しい姿の方向性を合わせることで、より前向きに仕事に取り組める環境を実現することです。そうすることで、優秀な人材に活躍してもらえる会社になれると信じています。

 これから、向こう5年は非常に日本にとって重要な時期を迎えると感じています。国内市場での競争も大事なことではありますが、世界との競争を凌いで行くためには、時には国策として積極的な日本のブランド力の向上、世界における日本のプレゼンスの向上に努めるべきだと考えます。

 国内市場においても、海外ブランドの席巻を許すことになる前に。弊社は微力ではありますが、これからも日本のブランド力向上にお役に立てるように尽力して参ります。
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