トキワ、グローバルな事業基盤を強化

週刊粧業 2023年10月16日号 57ページ

トキワ、グローバルな事業基盤を強化
 国内化粧品業界はコロナ禍の影響を受けてきましたが、昨年から感染対策が緩和されて需要回復が続いています。当社が得意とするカラーコスメも回復基調が強まり、リピート受注や新規受注が好調に推移しています。

 当社は半世紀以上にわたり、化粧品の処方と容器を一体的に開発できる体制を活かして品質の高いモノづくりを推進してきました。カラーコスメの中でもアイブローやアイライナーなどアイメーク製品の開発を得意としていますが、近年はファンデーションなど開発品目を広げ、着実に実績も上がってきています。

 2019年には第2創業期を迎え、「世界中に美と感動と喜びをお届けする」というミッションを掲げて経営基盤を強化しています。委託製造を主とするコントラクト・マニュファクチャラーではなく、研究開発力を活かしたパートナリング・マニュファクチャラーとして、クリーンビューティやサステナビリティを追求したモノづくりを、先々を見据えて推進していきます。

 第2創業期では、時代のニーズに合った新しい取り組みもスタートしています。当社の研究基盤リソースを活かした開発支援プログラム「TOKIWA Lab.」はその一つで、スタートアップを中心に日本や米国でプロジェクトや商品化が進み、着実に成果を上げています。

 また、開発実績のある処方と容器の組み合わせでオリジナルコスメの短納期・小ロット開発を実現する「TOKIWA KOBO」も認知拡大とともに問い合わせが増えています。こちらも将来的にはグローバルに展開できるサービスへと進化させていきます。

 来期(2024年12月期)からの3カ年中期経営計画では、国内事業基盤のさらなる強化をしつつ、米国・欧州・アジアでのグローバル化を加速していきます。

 そのために、グローバルマインドセットを持つ人材の育成にも力を入れています。そして、大手のグローバル企業にも高く評価されてきた「トキワ品質」を支える各工場では、従業員の方々がより働きやすく、働きがいのある環境づくりを推進していきます。

 日本国内も長期視点で見れば市場拡大の余地があると捉えています。化粧品を使い始める年齢が下がったり、シニアの化粧頻度が上がったりといった化粧に対する意識や習慣が変わっていくことは十分期待できるはずであり、そのためには当社からも開発・提案をしていかなければなりません。

 今後も様々な可能性を考慮しながら経営戦略を立て、トキワを持続的に発展・成長させていきます。
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