日本コルマー、人材や設備への積極投資で環境変化へ対応

週刊粧業 2023年10月16日号 57ページ

日本コルマー、人材や設備への積極投資で環境変化へ対応
 国内化粧品業界は、新型コロナの影響を受けて厳しい市場環境が続いていましたが、2022年から2023年は市況もだいぶ緩和されてきた印象があります。

 当社は国内5研究所・7工場体制であらゆる化粧品の企画設計から処方開発、製造までワンストップトータルサービスを提供していますが、スキンケア、ヘアケアを中心にメークアップ、ボディケアなど全てのカテゴリーで受注が増えています。価格帯も高級品からプチプラと呼ばれるお手頃品まで幅広く受注が回復してきました。

 受注回復とともに業績も好調に推移しており、前期(2023年3月期)に続いて今期(2024年3月期)も上期の売上高が前年比2ケタ成長で推移し、早い段階で通期売上高の見通しを上方修正いたしました。

 国内化粧品市場が、インバウンド需要が拡大していたコロナ前の水準まで回復することは難しいと見ていますが、私たちOEM/ODM業界は今後もアウトソーシング需要の拡大やスタートアップ企業や異業種からの参入、またファブレス企業の増加にともない、高い成長性が見込めます。カテゴリーによっては国内市場で韓国をはじめ海外化粧品の勢いが強まってきていますが、OEM/ODM市場ではそのような影響が感じられません。

 一方で、化粧品業界に参入する企業の増加とともに、OEM/ODM間の競争も激しくなっています。当社では、高付加価値化をさらに追求していくために、機能性・エビデンスなどマーケティングに活かせる情報や知見の提供にも力を入れています。

 その核となるマーケティング部は、研究開発者で構成され、あらゆる化粧品の開発・製造を通じて得られた豊富な情報を技術者目線で捉え直し、顧客に合った情報を提供できることが大きな強みになっています。ここをさらに強化することにより、付加価値の高いモノづくりを推進してまいります。

 生産能力の増強も図っています。

 最近では、2019年3月期に茨城・結城工場を、2022年12月には広島工場を増築し、バルク製造から包装仕上まで一貫生産に対応できる工場へ体制を拡充しました。2023年7月には結城工場近くの工業団地内で新工場の建設に着工しました。2025年春から稼働する計画です。

 私たち製造業は、人手不足への対応・対策を成長課題として抱えています。当社は化粧品OEM/ODM専業として、引き続き生産性向上や市場対応力を意識し、積極的に設備投資を行うことで、今後も持続的な成長を実現してまいります。
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