花王×コーセー、メーク化粧品をボールペンにアップサイクル

粧業日報 2023年11月6日号 3ページ

花王×コーセー、メーク化粧品をボールペンにアップサイクル
 花王とコーセーは、役目を終えたメークアップ化粧品をアップサイクルした絵具などの色材を製造・販売するモーンガータ(田中寿典代表)の活動に賛同し、研究所における品質追求・品質管理の過程で最終的に商品にならなかったメークアップ化粧品を提供している。

 今回、花王とコーセーが提供したメークアップ化粧品が、モーンガータにより水性ボールペン「SminkArtペン(スミンクアートペン)」に生まれ変わった。2023年9月から試作が開始され、2024年以降、花王とコーセーが実施する各イベントへの提供が予定されている。

 今後、花王とコーセーは、両社のメークアップ化粧品をアップサイクルした「SminkArtペン」を用いた啓発イベントを共催するなど、生活者に向けたサステナビリティ領域での協働取り組みを進めていく。

 なお、モーンガータは、サクラクレパスの技術協力のもと、2022年7月より水性ボールペンの開発を開始し、2024年秋頃の一般発売を目指している。

 花王とコーセーは、2021年10月より、持続可能な社会の実現を目指し化粧品事業のサステナビリティ領域における協働を進めてきた。2022年4月からは、第1弾として、「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルの取り組み」とともに、「絵の具などへの化粧品再生利用の取り組み」を推進。研究所における品質追求・品質管理の過程で最終的に商品にならなかったメークアップ化粧品を、モーンガータに提供する活動を続けている。

 また、花王では、このメークアップ化粧品からアップサイクルされた絵具を使用した塗り絵体験イベントや子ども向けの体験型アートイベントを実施。コーセーも、絵具を使用した顧客向けイベントに加え、同じくメークアップ化粧品から作られた印刷用インキ「ecosme ink(エコスメインキ)」によるギフトボックスやショッパーバッグといった包装資材への印刷など、アップサイクル色材を用いた取り組みを、それぞれ進めてきた。

 今回、メークアップ化粧品のアップサイクル品に汎用性の高いボールペンが加わることで、取り組みの幅がさらに広がることが期待される。試作段階の「SminkArtペン」は、花王、コーセー両社のメークアップ化粧品を組み合わせて作られたもので、複数色のカラーでの展開を予定している。

 今後、花王は、メークアップ化粧品のアップサイクル品の社内外での様々な活用を通じて、サステナブルかつ化粧品ならではのきれいな色や多様な質感で、ひと味違う彩りを楽しむ機会を提供していく。

 コーセーは、オフィシャルスポンサーとして「キッザニア東京」内に出展しているビューティスタジオパビリオンにて使用し、子どもたちが再利用に触れる機会の提供を予定している。また、花王とコーセーの共催で、「SminkArtペン」を活用した生活者向けイベントの実施も検討している。
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