コーセーコスメトロジー研究財団、第34回表彰・贈呈式を開催

粧業日報 2024年1月5日号 2ページ

コーセーコスメトロジー研究財団、第34回表彰・贈呈式を開催
 コーセーが社会貢献の取り組みの1つとして支援している公益財団法人コーセーコスメトロジー研究財団は、11月30日に「第34回 表彰・贈呈式」をパレスホテル東京(東京都千代田区)にて開催した。

 コーセーコスメトロジー研究財団は、多様かつ広範な学際領域に跨るコスメトロジー(化粧品学)に関する研究へ助成を行うことにより、広く生活者の保健衛生の向上を図り、美しく豊かな人間生活の実現に寄与することを目的として、1990年にコーセーの創業者である小林孝三郎氏により設立された。以来毎年、化粧品に関連する幅広い学術分野の優れた研究に対して助成を行っている。

 第34回となる今年度は「コーセーコスメトロジー奨励賞」として、2018年以降の助成採択者の中から北海道大学大学院 薬学研究院 山田勇磨氏を表彰した。また、「コスメトロジー研究助成」として、全国の主要大学、病院、公的研究機関からの101件の応募に対し、選考委員の厳正な審査により選ばれた35名の研究者に対して助成金贈呈を行った。



 式典冒頭で挨拶した小林一俊理事長(コーセー社長)は、「当財団は創業者である小林孝三郎が平成2年に設立したもので、化粧品科学の発展には、物理学や化学、生物学といった自然科学に加えて、心理学や社会学、さらに文化、芸術におよぶ幅広い分野の融合が必要と考え、この化粧品の科学を『コスメトロジー』と名付けて、財団の名称にしてきた。以来、コスメトロジーの研究に取り組む全国の研究者を支援する活動を進め、今年までの助成件数の累計は957件、助成金の合計額は14億3184万円に達し、数多くの研究成果を広く社会に公表してきた。例えば、皮膚アレルギーの問題で多くの研究者を支援してきた結果、皮膚アレルギーの発症メカニズムの解明が進んで、予防法や治療法の開発も大きな進歩を遂げて、人々の健やかな生活の実現に貢献することができた。今回、受賞される皆様の研究が、それぞれの目標を達成され、コスメトロジー研究として実りある成果を生み出されることを願っている。今後も、美しく豊かな生活の実現、化粧品産業の発展のため、研究助成事業を通して着実に歩みを進めていく」と語った。



 続いて登壇した二木鋭雄選考委員会委員長は、選考経過や受賞課題のテーマの傾向、受賞者に期待することなどについて、「例年どおり『素材・物性』『生体作用・安全性』『精神・文化』の3分野で助成課題を募集し、各分野の専門委員による研究課題の総合評価に加え、『独創性』『発展性』『実用の可能性』『コスメトロジーへの波及性』の観点から予備選考を行い、選考委員会での慎重な審議の結果、35件の研究課題を採択した。採択された研究課題を分野ごとに見ると、『素材・物性』では、化粧品の機能性成分の開発に自然界から学ぶ手法を取り入れたテーマが見受けられた。『生体作用・安全性』では、例年の皮膚を対象にした研究に加え、光や熱、触覚など感覚器官としての皮膚に着目したテーマが加わった。『精神・文化』では、コスメトロジー研究を特徴づける多彩なテーマが揃っていた。受賞課題は、どれも最先端の科学・技術とコスメトロジーならではの着想を組み合わせたもので、化粧品の科学としての広がりが感じられる大変楽しみな研究課題だった。本日の受賞された研究が、当初の目標を達成され、将来、人々の健康と生活の向上に役立つことを祈っている」と述べた。
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