東陽化成、時流に対応した製品開発・提案を

週刊粧業 2024年1月1日号 85ページ

カンタンに言うと

  • カテゴリーの多様化等で転換期に
東陽化成、時流に対応した製品開発・提案を
 東陽化成(坂東義晃社長)は幅広い製品ニーズに対応することで、コロナ禍の影響を軽微に抑えることができた。引き続き、原材料価格・エネルギーコストの高騰や物流の2024年問題など懸念材料が多いが、時流に対応した製品開発・提案によってODMとしての機能を果たしていく。

 坂東社長は「様々な環境の変化やカテゴリーの多様化によって、ビジネスが変わる転換期を迎えている」と語る。

 ――市場の変化についてお聞かせください。

 坂東 この3年、様々な案件をいただいても、持ち越しやペンディングという状況が続いたが、コロナが第5類に移行した2023年5月を機に、動きが活発になった。

 特に、メークアップのお客さまから、リニューアルや新色を出したいというお話しをいただく。

 ――OEMメーカーにとっても、この影響は続きそうですか。

 坂東 よほどのことがなければ冷え込むことはないだろう。ただ、インバウンド需要は完全に戻っていない。

 そうした意味で、試行錯誤が必要だ。今はSNSでインフルエンサーの方々が拡販力をもっているので、ここに提案できるようなアイテムをつくっていく。

 ――一般的に新規参入されるところはD2Cで、若い層をターゲットにされているようです。

 坂東 かつてはエコやSDGsなどを切り口にした商品が開発されていたが、最近はヴィーガン、ボタニカル、フェムテック、メンズコスメなどカテゴリーが広がっている。様々な要望にお応えできるような研究を続ける必要がある。

 また既存のお客さまが製品を改良するスパンが早まっている。一方で、SDGsの観点や採算の面から、販売中止になる原料もある。

 こうした川上や川下の変化に対し、すべてを見直すわけではないが、建て直しの過渡期を迎えているように思う。

 従来の事業を継続しながら、新しいものを取り入れ提案し、次につなげることが求められている。

 ビジネスのあり方も、メーカーさんの依頼に応じて再現するというところから一歩踏み込んで、企画にもアプローチすることで、自ずとODMに変わっていくと考えている。
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