日進化学、生産性向上と付加価値創造で安定成長モデルを構築へ

週刊粧業 2024年1月1日号 84ページ

日進化学、生産性向上と付加価値創造で安定成長モデルを構築へ
 化粧品ODM/OEM事業とエアゾール製造を行っている日進化学は2024年3月期、外出需要の拡大とそれにともなう化粧品の使用頻度が高まり、前期に比べて増収増益で推移する見通しだ。

 髙田寛社長は、生産性向上によるOEMの安定成長と、付加価値創造型のODM戦略の推進で筋肉質な企業体質を強固にしていく考えを示している。

 ――2023年はアフターコロナの段階に入りました。受注品目にも変化が見られたでしょうか。

 髙田 アフターコロナを迎えて衛生関連商品の受注はほぼ消失したが、それに代わる形で、外出需要の回復にともない、UVケア製品やクレンジング、洗顔料などの受注が増加した。

 市場が活性化している高価格帯シャンプー&トリートメントもまだまだ引き合いは多い。

 また、今期はエアゾール部門が、炭酸ケア製品やドライシャンプーなどの受注が好調で、前期比2ケタ以上の伸び率で推移している。

 訪日外国人数の増加とともに期待されるインバウンド消費は、化粧品、トイレタリーともコロナ前のような需要拡大は見られていない。

 ――2024年市場をどのように見ていますか。

 髙田 化粧品市場は緩やかに回復しているが、一方で、原材料やエネルギーの価格高騰が続いており、収益性が悪化している。

 2024年もその流れの中で、製造を中心とした人員不足や「2024年問題」に代表される物流のひっ迫など、収益性の確保は一層厳しくなる可能性があるだろう。

 ――収益力の向上に向けては。

 髙田 OEMとODMの両輪で、生産性の向上と付加価値創造を強化していく。

 OEM部門では、高いQCDを実現するため、機械化やDXを推進して生産性向上を図りながらスマートファクトリーを実現していく。

 原材料の受け入れから製造までにかかわる全てのデータをつなげた生産システムを構築してIoT化も進める。省人化を目的とした機械の導入も検討を進め、業務効率化や人員不足の解消を図っていく。

 ODM部門では、提案力の強化に向けて、産学官の連携も進めている。開発処方のエビデンスの充実化を図っている。マーケットの動向や情報の収集・分析を行い、商品開発に活かし、付加価値の創造を実現していく。
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