東洋ビューティ、ODMは企画力や提案力も強みに

週刊粧業 2024年1月1日号 82ページ

カンタンに言うと

  • 生産コスト削減に向けて対策本格化
東洋ビューティ、ODMは企画力や提案力も強みに
 東洋ビューティは2023年12月期、推進するODM戦略が奏功し、開発製品の商品化や新規顧客の獲得が進んだ。岩瀬史明社長に話を聞いた。

 ――2023年の自社の取り組みを振り返っていただけますか。

 岩瀬 2023年は1~10月末までで売上高が前年同期比ほぼ横ばいだが、利益率はエネルギーコスト上昇などの影響を受けた。業績面では厳しい1年だったが、強化するODMでは開発力や企画力、提案力が着実に鍛えられていることを実感できた1年になった。

 ODM戦略では、潜在的な顧客ニーズを捉え、そのニーズに沿った開発力、企画力、提案力を強化している。

 それらを披露する場として、2023年は第11回化粧品産業技術展と第2回フェムテックトーキョーの2つの展示会に出展したが、新製品を中心に高い評価を得ることができ、商談も進んでいる。

 ――フェムテック・フェムケア領域では、知見を深めながら提案の幅を広げています。

 岩瀬 フェムケア対応コスメ「メノポーズスキンケアコスメ」は、新たに5品目を加えてシリーズ全7品に、美容おつまみ「美・つまみ」も試供品を配布した。

 ヘアケア関連では従来の発想に捉われない、ユニークな製品開発も進めている。前髪のセットや浮き毛をケアするブラシタイプのスタイリング剤は、早くも商品化につながった。

 新規開発処方では、オイルリッチなジェル処方を採用した「ヘアボンド」が好評だ。

 ヘアボンドは、ヘアオイルよりも補修力にすぐれ、競争が激しいアウトバスタイプで新しい市場を創造できる製品として紹介している。

 ――2024年は5カ年計画の最終年度を迎えます。抱負をお聞かせください。

 岩瀬 生産コストの削減に向けて、各工場の生産効率の改善や生産性向上、ロス削減の取り組みを進める。

 また、23年度は経営陣を含む管理職以上を対象に、組織横断型ミーティングを行い、全体最適に向けて話し合ってきた。次のステージに向けて弾みをつける1年にしたい。
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