花王 長谷部佳宏社長、「グローバル・シャープトップ」をめざして

週刊粧業 2024年1月1日号 66ページ

カンタンに言うと

  • 未来に向けた新たな挑戦
花王 長谷部佳宏社長、「グローバル・シャープトップ」をめざして
 新たな年が幕を開けました。世界はようやくパンデミックの混乱期を抜けつつありますが、地政学的な緊張の高まりに伴う人々の分断が続いています。先行きに不透明感が残る混迷の時代であっても、2024年は、花王にとって特別な年になります。私たちが目指すパーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて、最大の挑戦とチャンスが待ち受けているからです。

 2023年は、抜本的な構造改革を進め、事業の大きな転換期を迎えました。パンデミックと原材料高騰などの逆風の中、「未来のいのちを守る」というビジョンはそのままに、8月に中期経営計画を見直しました。財務指標の「ROIC」の全社導入を進め、構造改革は計画通り進んでいます。

 事業においては、確実な手ごたえを感じています。ファブリック&ホームケア事業は戦略的値上げと高付加価値化が浸透し、トップシェアを維持しながら利益改善が進んでいます。スキンケア事業は、UV製品の高付加価値化の提案が功を奏し、利益改善に大きく寄与しました。化粧品事業も、注力ブランドの「G11」が大きく伸長しています。主力のトイレタリー事業がけん引する形で、事業活動が成長軌道に着実に移行しつつあります。

 花王は、2027年に向けて「グローバル・シャープトップ戦略」を新たに掲げました。お客さまのニーズに、エッジの効いたソリューションで世界№1の貢献をする企業をめざします。私たちは、単に「量を増やすだけの経済」から、「質を重んじる経済」に移行していかなければなりません。

 将来の花王のビジネスの形は、「広く・浅く」ではなく、「尖って、誰かのために欠かせない一番の存在になる」ことです。花王が掲げてきた「未来のいのちを守る」というビジョンは変わっていません。花王は、地球環境や生活者の生命にも目を向け、社会に欠かすことのできない存在になりたいと考えています。

 花王が日本でも海外でも「シャープトップ」をめざすには、これまでメーカーとして花王が中核に据えてきた「よきモノづくり」の考え方もアップデートしなければなりません。

 今の時代に合った創造と革新、感動を生む「よきモノづくり」とは、単に商品を作るだけでなく、生活者の皆さまに信頼され、感謝される商品を作ることです。そのために、付加価値を高め、繰り返し選ばれるための商品づくりにより一層、魂を込めていきます。

 花王がめざす姿は、欠かすことのできない商品がお客さまに感謝され、商売としても優れ、社会からも尊敬される事業が集う企業です。そして、商品は我々だけで完成するものではありません。

 我々とお取引先、生活者の皆さまの「三方よし」となるだけでなく、社会も良くしていく「四方よし」の世界を目指さなければならない時代です。今こそ、花王グループ社員の力を結集し、皆さまの期待を超える新しい未来を想像してまいります。
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