粧業日報 2024年2月6日号 1ページ
カンタンに言うと
ライオンは、医科や歯科に関わる健康診断の結果やレセプトデータの分析情報を活用した健康経営の推進に取り組む中、データドリブンな健康経営を促進するための部門横断プロジェクトを発足した。
複数の専門部門が連携し強みを組み合わせることで、従業員の健康施策を向上するだけでなく、医療費の適正化につながる洞察を得ることが可能となる。この内容は、日本ヘルスプロモーション学会 第20回学術大会・総会(2023年12月2日~3日)にて発表した。
近年、健康診断の結果やレセプト情報などのデータに基づき、PDCAサイクルで効果的かつ効率的に保健事業に取り組むことが重要視されている。このようなデータドリブンな健康経営を加速するためには、医学的な視点を取り入れて、健康や医療、レセプトに関するデータを収集し分析する技術を高めつつ、データセキュリティの強化を両立する必要がある。
そこで、健康管理部門、健康保険組合に加えて、医療の専門知識を持つ外部専門家と高いデータ解析スキルを有するIT・デジタル部門を加えた部門横断プロジェクトを発足した。データドリブンな健康経営の加速に向けた体制を整えることで、健康経営施策の向上に資する、より高度なエビデンス取得を目指す。
プロジェクトは、20年分以上の医科や歯科に関わる健康診断の結果や健康施策のノウハウを有する「健康管理部門」や、レセプトデータや医療費、データヘルス計画の知見のある「健康保険組合」、健康診断のデータと知見を医学的な観点でどのように結び付けられるかといった知識や経験を有する「外部専門家(大学)」、効率的な分析環境の構築や統計解析のスキルを有する「IT・デジタル部門」の4部門で推進していく。
部門を横断してデータを取り扱う際に課題となる個人情報のセキュリティについても対策を講じる。個人情報は、健康管理部門や健康保険組合より、個人の特定が不可能な状態でIT・デジタル部門に提供され、分析に適した形に変換される。このプロセスは自動化プログラムを用いて効率化されており、アクセスは限られたIT・デジタル部門の分析者に限定している。
今後は、「①健康悪化(疾病)と生活習慣、健康リスクなどとの関連性や、健康リスクと医療費の関連性などの分析による健康経営施策の高度化」「②オーラルケアが全身の健康や医療費に与える影響の分析による、オーラルケアの有用性に関するエビデンスの取得」「③高額医療費者の傾向や予兆要素探索の分析による会社全体での医療費の適正化」を目指し、分析を進めていく。
この記事は粧業日報 2024年2月6日号 1ページ 掲載
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