花王、4年連続でCDPから全3分野で最高評価を獲得

粧業日報 2024年2月9日号 4ページ

花王、4年連続でCDPから全3分野で最高評価を獲得

 花王は、国際NGOであるCDPが実施し、世界の調査対象企業が回答した「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」対応に関する調査にて、全分野で最高評価である「Aリスト企業」に選定された。

 トリプルA企業は、CDP質問書への回答をもとに評価された2万1000社以上の中から10社選定されている。

 花王は4年連続での4回目のトリプルA獲得となり、「気候変動」分野は5回目、「フォレスト」分野は4回目、「水セキュリティ」分野は7回目の選定となった。

 花王グループは、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいる。2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画を推進している。

 今回の「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」分野における「Aリスト企業」選定にあたっては、花王のバリューチェーン全体での取り組みが結実した。

 「脱炭素(気候変動抑制)」の実現に向けては、2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブ達成の目標を策定している。その実現に向けて、同社初となるバイオマスを熱利用するプラントを、スペインにあるケミカルの工場内に建設した。また、食器用洗剤「キュキュット」では、肉厚を薄くすることでプラスチック使用量を従来と比べて約40%削減したボトルタイプのつめかえ容器を発売し、容器の生産や廃棄・リサイクルにかかるCO₂排出量の削減に貢献している。

 「フォレスト」分野については、花王ウェブサイト内に、パーム油の調達に関する活動を紹介するページ「パームダッシュボード」を作成した。パーム油は花王にとって最も重要な自然資本の1つであり、持続可能な調達に向けた方針や、課題の本質解決のための中長期計画、トレーサビリティの確認状況、最新のミルマップに加え、インドネシアの独立小規模パーム農園支援プログラム「SMILE」、グリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)、RSPO認証品調達の進捗状況、独立小規模パーム農園クレジット購入数量等を公開している。

 「水セキュリティ」に関しては、技術を進化させることで粉末洗剤でもすすぎ1回を可能にしたスティック形状の衣料用洗剤「アタックZERO パーフェクトスティック」を発売している。

 これらの活動の推進で鍵となるのは、気候や森林、水に関わるシナリオ分析を実施し、それを最大限に活用することであるため、リスクと機会を特定した上で、計画と行動を事業戦略に組み込んでいくことに取り組んでいく。

 今回の選定にあたり、取締役 常務執行役員 ESG部門統括のデイブ・マンツ氏は、「『Aリスト企業』に選定いただいた期待に応えるべく、時代の先を行く活動を、幅広い花王の事業領域で着実に推進すべく努力していく」と述べている。

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