ライオン子会社、タイ石油化学大手と新工場建設で基本合意

　ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ（LSC）は、主に電気自動車のリチウムイオン二次電池（LIB）の電極用導電助剤として使用される導電性カーボンブラックの世界的な需要の高まりに応えるため、タイの石油化学大手のIRPC Public Company Limitedと新工場建設に向けた検討を共同で進めるためのMoU（基本合意書）を締結することを決定した。

　IRPCと新工場建設に向けた具体的な検討を行い、2025年1月を目途に最終的な投資判断を行う。

　同社グループは、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現・サステナブルな社会への貢献に向けて、詰め替え容器の普及促進、モーダルシフト推進といった日用品業界、生活者向けの取り組みだけでなく、特長ある機能性材料を産業界に使用してもらうことでサステナブルな社会に貢献する活動も推進している。

　その1つとして、LSCが販売する導電性カーボンブラックは、LIB用導電助剤、帯電防止剤として産業界で広く活用されており、このうち特にLIB用導電助剤として採用されるケースでは、電気自動車による温室効果ガス排出削減に間接的に貢献している。

　昨今の世界的な電気自動車需要の高まりに伴い、LIB用導電性カーボンブラックの需要も急激に高まっており、その需要に対応するために、国内外で新たな工場の建設候補地を検討してきた。

　このほど、タイの石油化学大手のIRPCから新工場建設に向けた検討の協力が得られることとなったため、同社とMoUを締結し、具体的な検討を開始した。

　IRPC概要（2024年1月31日現在）／名称＝IRPC Public Company Limited▽所在地＝299 Moo 5, Sukhumvit Road, Choeng Noen Subdistrict, Mueang Rayong District, Rayong, Thailand▽President and Chief Executive Officer＝Mr. Kris Imsang▽事業内容＝石油精製、石油化学▽資本金＝204億7500万タイバーツ▽設立年月＝1978年8月