メークアップを主軸にOEM事業を手掛ける東色ピグメントは、2022年12月に矢板新工場を完成させ、さらなる生産能力の向上が期待される。
代表取締役社長の鴫原靖宏氏に話を伺った。
――2023年度の業績はいかがでしょうか。
鴫原 業績は伸長しており、コロナ禍以前の業績にもかなり近づいている。国内メーカーの回復や、規制緩和が比較的早かった海外メーカーからの受注、自社開発のオリジナル原料の販売でカバーした形だ。
――中長期計画についてお伺いします。
鴫原 現在、当社は73期(2023年4月~2024年3月)を迎えているが、71期~75期の中長期計画「コネクト75」では、社内外の繋がりの変革を図っている。
コロナ禍ではDXという言葉が一般化したが、当社では「これまで活用できていなかった社内外のデータを無駄なく活かす」と定義しており、実現に向けて、社内外の繋がりのアップデートを図っている。
一例として、現在は生産管理システムのアップデートに着手しており、試行錯誤しながら、ゼロベースからの検討を行っている。
――新工場についてお聞かせ下さい。
鴫原 2022年12月には、矢板新工場を竣工し、生産を開始している。
10年後の環境にも対応できるように、生産能力の向上に加え、次世代を意識した設備設計を行った。
バルク生産量は乳化釜の新規導入により、当社全体で過去実績と比べ2.5倍~4倍となる。また充填数量も、当社全体で過去実績比、最大4倍を実現できる。
生産スペースは大きく余裕を持たせた。今後は、自動化・省人化に伴ってライン間に新たな設備を追加していくことを考慮し、予めそのスペースを確保した。
従来の体面積当たりの生産数量という考えも重要だが、それだけでは業績は向上しないと考えている。
ワークライフバランスにも配慮しており、特徴的な取り組みとして工場内にパウダールームを設置した。従業員からの発案だったが、働くモチベーションが向上し、優秀な従業員を継続的に雇用することに繋がることを期待している。
この記事は週刊粧業 2024年2月26日号 10ページ 掲載
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