フェイスラボ(本社=静岡県袋井市、朝比奈謙太社長)は、提案営業力を磨き、手間暇のかかるモノづくりをスピーディに行うことで売上は順調に推移している。
生活者の意識変化を的確に捉えた企画提案にも取り組んでおり、一定の手応えを掴んでいる。朝比奈社長に前期の振り返りと今後の戦略について話を伺った。
――前期(2023年9月期)を振り返っていただけますか。
朝比奈 売上については、営業・開発・生産が一体となった提案営業を強化し、難しい案件に全社を挙げてチャレンジした結果、従来の生産技術力や処方開発力では取り込めなかった案件を成約に結びつけ、2ケタの増収で着地することができた。
一方、原材料価格の高騰に見舞われた中、変化対応が追いつかず収益的には厳しい1年となった。
部署を跨いだ情報共有が進み、お客様第一主義が浸透したことは大きな成果といえる。会社全体のベクトルが一致してきたことで、手間暇がかかるモノづくりを、よりスピーディに行える体制が整ってきた。
難易度の高い案件に挑戦し、問題解決を図りながらノウハウを蓄積していくことで、スピーディな対応に磨きをかけていきたい。
――現在、どのような提案を強化していますか。
朝比奈 当社はスキンケアを中心に化粧品・医薬部外品や健康食品を展開しているため、新型コロナウイルスのマイナス影響をダイレクトに受けることはなかったが、コロナ禍を経て生活者の化粧品に対する意識は変わってきていることは実感している。
SNS映えするような見た目の面白さだけでなく、機能性や使用感も兼ね備えた化粧品が求められており、そうした新たなニーズによりスピーディに対応していかねばならない。
新たなトレンドへの提案として、見て触って楽しく機能感を感じる処方を開発した。フラッペのような凹凸や粒感を追求した4種のスクラブとカフェインやコーヒーエキス成分を配合した洗い流しの「カフェモカパック」と、プリンのような外観で、ぷるんとハリのある整った肌へ導く植物由来原料を配合した「プリンクリーム」の2品の提案を開始している。
今後も、グローバルな環境変化や、消費者のマインドを捉えた企画品を、四半期毎に1つずつ提案できるようにしていきたい。
――今期(2024年9月期)の方針をお聞かせください。
朝比奈 今期は、現場やお客様の声をより多く吸い上げて課題解決していくPDCAをもっと高速で回していきたい。加えて、マーケティングを基軸に据え、しっかりとした分析に基づいた形で営業・開発・生産が一貫性を持って成長に向かって進んでいけるような組織に進化したい。
さらに、グループ企業であるエフシー中央薬理研究所とのシナジーを追求し、独自に磨き上げてきたノウハウや開発手法の共有を進め、それぞれの強みを伸ばしていくことで、お客様により高い価値を届けられる仕組みをつくり上げていきたい。
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この記事は週刊粧業 2024年2月26日号 9ページ 掲載
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