粧業日報 2024年3月12日号 2ページ
カンタンに言うと
花王は、2024年3月に経済産業省、環境省より、自社の事業場や鎌倉市で実施しているプラスチック包装容器の回収にて、「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得した。一般消費者を対象とした製造・販売事業者としての認定は初めてとなる。
この認定は、2022年4月1月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)の措置事項の1つ。認定取得により、廃棄物処理法の業許可なく、使用済みのつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収することが可能になる。
同社は、プラスチック包装容器の資源循環型社会の実現を目指し、自治体や企業等と連携して日用品の使用済みプラスチック包装容器のリサイクルの実証実験を展開している。実証実験では、使用済みのつめかえパックやボトルを回収し、再度容器にする水平リサイクルの技術開発を行っており、2023年5月には、再生材料を一部に使用したつめかえパックを開発、製品化している。
現在、日本において家庭から出る使用済みのプラスチック包装容器は、自治体が定めたルールに沿って「一般廃棄物」として処理されている。主な方法としては、燃えるごみとして一括回収し熱回収(サーマルリサイクル)・単純焼却する、資源物として分別回収し容器包装リサイクル法に沿ってリサイクルする、という2つがある。
また、「廃棄物」については、適切に処理されるよう「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が定められている。使用済みのプラスチック包装容器を「廃棄物」として取り扱う場合には、この法律の対象となるため、許可を持った事業者でなければ回収することができない。そのため花王は、分別回収する日用品の使用済みプラスチック包装容器を、「廃棄物」ではなく「有価物」として取り扱うことを認める自治体でのみ、回収の実証実験を展開している。
今回花王が取得した「製造・販売事業者等による自主回収認定」は、2022年4月1月に施行されたプラ新法の措置事項の1つで、製造・販売業者等の自主回収を促進するもの。認定を受けた事業者は、計画の範囲において業の許可が不要となり、許可を持たない製造・販売事業者が、回収・再資源化を実施することができるようになる。
花王が自主回収の認定を取得したのは、使用済みつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収する計画に対するもので、どちらもすでに「有価物」として回収を実施しているが、「廃棄物」としての回収が可能となる。
使用済みつめかえパックを回収拠点から集約拠点へ移送後、花王の和歌山研究所のリサイクルパイロットプラントでの再資源化を予定している。計画では、花王のグループ会社で物流を担う花王ロジスティクス等による既存の事業場間輸送便を活用することで、輸送コストや環境負荷を削減する。
また、認定を得た計画と同様のパターンの回収については他地域で応用展開が可能なため、回収地域のスピーディな拡大も見込める。今後は、これまでの「有価物」としての回収に加え、自治体や企業に対し、この計画を「導入が容易な回収モデル」として示し、リサイクルにおける連携を推進していく。
この記事は粧業日報 2024年3月12日号 2ページ 掲載
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