牛乳石鹼、企業資産を活かしたブランド戦略で高付加価値化を促進

週刊粧業 2024年3月25日号 10ページ

牛乳石鹼、企業資産を活かしたブランド戦略で高付加価値化を促進

 牛乳石鹼共進社は、新市場創造と高付加価値化の両軸で製品開発を強化している。新ブランド戦略では、固形石鹸や身体用洗浄料で長年培ってきた技術資産を活かして開発を進め、新たな販路や市場の開拓を進めている。

 一方のロングセラーブランドでは、ユーザー満足度を起点とした改良で付加価値化を推進し、ドラッグストアを中心とした既存販路の客単価アップや売場活性化へ向けた施策を進めている。

 2023年度(2023年4月~2024年3月)は、サステナビリティをコンセプトにした固形シャンプー&コンディショナー「madoca(マドカ)」(2023年6月発売)と、女性特有の悩みに寄り添うフェムテックブランド「&fem(アンドフェム)」(24年3月発売)の2つの新ブランドを立ち上げた。

 同社初のフェムテックブランド「アンドフェム」は、当初予定していた計画を大幅に超える好調なスタートを切っている。

 ラインナップはデリケートゾーン用の泡ソープ(フェムケア泡ソープ)と美白ジェル(フェムケア美白ジェル)の2品で、共通のアロマティックブルームの香りは、経血やおりもの、尿のニオイといったデリケートゾーン特有の気になるニオイを抑える香料を採用した。

 マーケティング部の末永貴大氏は、さらに「『牛乳石鹼がつくったフェムケアアイテム』として、品質への安心感や信頼からトライアルの獲得につながっている」と話す。

 ロングセラーブランドでは、昨年発売60周年を迎えたニキビ予防・スキンケアブランド「スキンライフ」(写真)が2022年春のリブランディング以降、泡タイプの洗顔料を中心に新規ユーザーを獲得し、2ケタ以上の伸長率で好調に推移している。

 リブランディングでは、ニキビ予防と同時にスキンケアも叶えるブランドへと再構築した。抗炎症作用や鎮静効果が確認されているCICA成分(ツボクサエキス)を新たに配合するとともに、クレンジングジェル(薬用メイク落としジェル)をラインナップに加えた。パッケージやアテンションシールに企業ロゴを付け、こちらも「牛乳石鹼のスキンライフ」を打ち出して安心品質を訴求している。

 「薬用タイプのニキビケア製品には、効果を期待する一方で肌への負担を気にされる方も少なくない。また、できてしまったニキビは病院で治療するものという認識も生活者の中で強まっていた。日常的に安心して使えるニキビ予防のスキンケアブランドとして、競合するニキビケアブランドとの差別化を明確にした」(末永氏)

 リブランディングは、ユーザーの裾野を広げることも狙いとしてあった。

 「以前は中学生をメインターゲットにしてきたブランドだが、少子化が進行していることもあり、2020年以降は高校生、さらにはその上の世代の方にも使っていただけるブランドを目指して販促やプロモーションも強化している。昨年の60周年企画に続き、今年も新しく、斬新なプロモーションを計画している」(末永氏)

 同社は今後も、「赤箱/青箱」や「無添加シリーズ」などのロングセラーブランドで培ってきた「安心・安全」や「肌にやさしい」といった品質評価と企業イメージを、自社の独自価値として各ブランドの育成につなげ、市場の活性化に寄与する高付加価値化を推進していく。

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