日光ケミカルズ、敏感肌改善の研究でポスター特別賞を受賞

粧業日報 2024年4月9日号 6ページ

日光ケミカルズ、敏感肌改善の研究でポスター特別賞を受賞

 日光ケミカルズ 中央研究所の吉本聖研究員は、Asian Societies of Cosmetic Scientists(ASCS)Conference 2024でポスター特別賞を受賞した。

 ASCSは、アジア・オセアニア・中近東の化粧品技術者会の連合体として設立され、3地域における学会間の交流を深めることにより、化粧品学や化粧品産業の発展を図ることを目的としている。大会は隔年で開催されており、今大会はインド・ゴア州で3月6日から3日間、口頭やポスター発表が実施され、技術や文化の交流が行われた。

 吉本研究員は、健全な皮膚バリアの構築が敏感肌の改善に寄与すると考え、ヒトが元来有する皮膚バリア構築システムであるリゾホスファチジン酸に着目。サステナブルな開発手法である「ホールセル酵素技術」の応用によりリゾホスファチジン酸を化粧品原料として最適化させた「多機能性リゾレシチン」を開発し、その有用性評価の結果を同大会で報告した。

 敏感肌兆候を有する被験者を対象としたヒト試験にて、多機能性リゾレシチン製剤の4週間連用により、乳酸スティンギング試験における刺激感スコアや頬部の赤みといった敏感肌兆候の顕著な改善が認められた。また、角層水分量、水分蒸散量、頬部の毛穴の大きさといった皮膚膚バリア指標の改善も同時に認められた。さらには、in vitroでの作用機序解析にて、多機能性リゾレシチンを処理した群では、フィラグリンやセラミド量の上昇とともに、乳酸刺激に対する細胞応答が抑制されることを新たに見出した。これらの結果より、多機能性リゾレシチンによる皮膚バリアの健全化が敏感肌の改善に寄与することが示唆されたという。

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