ライオン、CO₂からの油脂開発技術を有するCO₂資源化研究所へ出資

粧業日報 2024年6月3日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 持続可能な社会の実現に向けパーム油代替原料の開発・活用へ
ライオン、CO₂からの油脂開発技術を有するCO₂資源化研究所へ出資

 ライオンは、バイオ技術の力で新しい生活様式を提案し、地球温暖化にストップをかけることを目指しているCO₂資源化研究所(本社=東京都港区台場、湯川英明社長、UCDI)の第三者割当増資を引き受けることを決定し、出資を行った。

 同社は、「サステナブルな地球環境への取組み推進」をサステナビリティ最重要課題として掲げ、経営戦略と統合させることで、社会への貢献とさらなる事業成長を目指している。

 現在、洗剤、柔軟剤、ハンドソープなど、世界中の日用品に使われている界面活性剤の多くは、パームヤシから採取された油脂(パーム油)を原料に作られている。

 パーム油は主に食料用途で使われているため、今後想定される世界的な人口増加に伴い、大規模な需要の拡大が見込まれている。しかしながら、パームヤシから持続可能な方法で油脂を生産するには限界があることから、パーム油を代替する原料、生産技術の開発が求められている。

 UCDIは、2015年8月に設立された革新的なバイオ技術を駆使したCO2 ・水素を原料とするヒト用タンパク質、バイオ燃料、化学品等の研究、開発、製造を行っている企業で、保有する独自のUCDI水素菌を活用し、温室効果ガス二酸化炭素(CO₂)と水素(H2)から様々な物質の商業生産を目指している。中でも、同社はCO₂からパーム油代替可能な油脂化学製品を開発することを、社会的意義の高い研究テーマの1つと位置づけている。

 そこで今回、両社がより深く連携し、温室効果ガス二酸化炭素(CO₂)から生産した原料を、洗剤、柔軟剤、ハンドソープをはじめとする様々な製品に活用することを目的に、UCDIに出資することを決断した。

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