花王、水平リサイクルによる化粧品ボトルの再生・商品化を実現

粧業日報 2024年6月3日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 使用済み化粧品プラスチックボトルを再び化粧品ボトル容器へ
花王、水平リサイクルによる化粧品ボトルの再生・商品化を実現

 花王は、2021年より取り組んできた化粧品ボトル容器の水平リサイクルの取り組みにて、このほど、使用済み化粧品プラスチックボトルからなるケミカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)素材を容器の一部に使用し、商品化を実現した。5月30日より順次、イオン・イオンスタイル146店にて、数量限定で販売している。

 使用済み化粧品容器を再び化粧品容器に生まれ変わらせる水平リサイクルには、JEPLAN(髙尾正樹社長)が保有する独自のケミカルリサイクル技術を活用。今回は、2022年に顧客から回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルし、花王グループのカネボウ化粧品が展開する「TWANY(トワニー)」の化粧水つけかえボトル容器の一部に使用している。

 今後は、化粧品プラスチックボトルの水平リサイクル社会実装モデルとして継続的な取り組みへと発展させるべく、回収スキームの構築と取り組み規模の拡大を目指していく。

 花王では、化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルに向け、回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて再生素材を製造し、化粧品ボトル容器に再利用することを目指している。一般的に、着色や加飾が施された化粧品ボトル容器は、包装容器のPET素材へ再生することは難しいとされてきたが、花王はJEPLANと協働し、同社が保有する独自のケミカルリサイクル技術を活用することで、その実現に向けて取り組んできた。

 第1弾として、2021年6月から、JEPLANのグループ会社であるペットリファインテクノロジー(伊賀大悟社長)が使用済みペットボトルを用いて製造したケミカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)素材を、「TWANY」のボトル容器に採用。バージンPET素材と同等品質の、美しい容器が製造できることを確認した。その後、「KANEBO(カネボウ)」「LISSAGE(リサージ)」「SOFINA iP(ソフィーナiP)」など、同素材の採用ブランドも順次拡大している。

 第2弾では、2022年2~7月の期間、「TWANY」を取り扱う関東エリアのイオン直営店舗などにおいて、顧客が使用した化粧品プラスチックボトルを回収。回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて、ケミカルリサイクルによる水平リサイクルの実証実験を進めてきた。

 今回、2022年に回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルして、「トワニー ローションⅡt (レフィル)」のボトル容器の素材の一部として使用し、バージンPETと同等品質のボトル容器に再生、商品化を実現した。

 これら一連の実証実験を通して、顧客の手元にある使用済み容器を回収・再生した素材を利用し化粧品容器を製造、再び顧客に提供するという、水平リサイクルの輪がつながった。

 今後は、「化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルの取り組み」を持続可能な社会実装モデルとして確立すべく、使用済み化粧品プラスチックボトルの回収スキーム構築など、インフラ整備を進める。また、2021年10月よりコーセーと進めているサステナビリティ領域における協働取り組みの1つとして、両社で協働することによるスケールアップを目指し、さらに検討を進めていく。

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