日本精化は化粧品原料で、リン脂質素材、機能性油剤、生理活性物質の3素材の開発・提案に取り組んでいる。
リン脂質素材は企業を代表する素材であり、ヘルスケア、ファインケミカル、ハイジーンのほかの事業領域でも使用する。化粧品原料としてはリボソーム基剤や乳化剤で多くの代替素材がある。
一般的に乳化剤は体内に入ることが相応しくない異物であるのに対し、リン脂質素材は細胞膜を構成する成分で、肌にメリットがあるポジティブ成分として評価されている。
そうしたメリットを踏まえ、メーカーの研究員、代理店の営業担当者に、使いやすい方法を学んでもらう受け皿として今年4月、本社ビル1階にラボ(The Design Greation Lab.)を開設した。
常勤する研究員がリン脂質素材や機能性油剤の実習付きセミナーを行う。インターネット上で自社製品の魅力がわかりやすく伝わるコンテンツの制作も予定している。メーカーから新入社員教育や研究課題に関する協力の要請があり順次受け入れている。クライアントが課題をもって訪問することで、営業にとってメリットが大きいという。
元々、プロダクトアウト型の営業ではなく、クライアントの課題に合わせた製品提案を行っている。クライアントとラボを結びつけるために、営業サイドの意向で設置した。
製品も、マーケットインの視点で開発している。今年に入って、Phyto compo HS(フィトコンポエイチエス)、Phyto Presome Plus(フィトプレソームプラス)の2品を発売した。
Phyto compo HSは、例えばインバストリートメントでは、乳化基材兼コンディショニング材としてカチオン界面活性剤を使用するのが一般的だが、それを当該原料に置き換えることもできる。また、前述のリン脂質素材の機能により、頭皮や毛髪のほか、美容師の手荒れ対策につながる。
Phyto Presome Plusはスキンケア用のリポソーム基剤で、従来のリポソーム基材に比べて、脂溶性成分や水溶性のヒアルロン酸Nаの角層への貯留性を格段に高める。2製品ともクライアントの課題に合わせて提案していく。
この記事は週刊粧業 2024年6月3日号 9ページ 掲載
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