シー・アクト、ペンタデシルにシワ改善など複合的な効果

C&T 2024年6月17日号 42ページ

カンタンに言うと

  • 小胞体ストレスを緩和し、肌を強くする天然由来の新たな機能性油脂として注目
  • 0.001%添加でシワ改善効果を確認、内外美容成分としての提案も強化

シー・アクト、ペンタデシルにシワ改善など複合的な効果

 化粧品・健康食品分野で天然資源の有効活用や持続可能な製品化のための研究開発に取り組むシー・アクト(本社=東京・千代田区)は、エイジングケアの高機能化を推進する化粧品原料として、「PENTADECYL(ペンタデシル)」(化粧品表示名称:オーランチオキトリウムリマシヌム油エキス)の提案を強化する。100%ペンタデシル(粉末タイプ)を2gから、植物由来スクワランを使用した1%ペンタデシルのプレミックスタイプ(ペンタデシルPREMIX)を500gから販売している。

 製品へのペンタデシル0.001%の極微量添加で、速効性と持続性を兼ね備えた保湿やシワ改善、バリア機能向上など肌への効果が確認されており、新製品開発はもとより、既存のスキンケア製品やファンデーションなどの高機能化・付加価値化を実現する。

小胞体ストレスを緩和し、肌を強くする
天然由来の新たな機能性油脂として注目

 ペンタデシルは、石垣島沿海水深25m付近で採取された微細藻類・オーランチオキトリウムが創り出す脂質から活性成分(ペンタデシル)を抽出・精製した油脂で、奇数脂肪酸・ペンタデカン酸(C15)を高含有する飽和脂肪酸のみで構成されるトリグリセライド。オーランチオキトリウムは、青魚に含まれるDHAやEPAの健康機能の他、新たな活性成分ペンタデシルには、身体の異常を起こす小胞体ストレスを緩和する作用が見つけ出され、論文等で効果が報告されている。

 同社は、微細藻類30万株の中から、油脂産生能力が極めて高いオーランチオキトリウムを選出し、独自の培養方法により、安定供給できる体制を整え、新規化粧品原料として22年春にINCI名と成分表示名称を取得した。

 ペンタデシルの研究では、肌の生理機能の低下に影響を及ぼしている「小胞体ストレス」に着目。ペンタデシル添加により小胞体ストレスを緩和・軽減する働きがあることを実証した。小胞体ストレスが生じると、肌のコラーゲン産生が抑制されるなど肌への影響があることがわかっている。小胞体ストレスを緩和することにより、肌を健康な状態に保ち、様々な肌トラブルを改善することができると考えられる。

 ヒト真皮線維芽細胞による試験において、ペンタデシルは、0.001%添加により、小胞体ストレスを緩和することが実証され、濃度依存的にⅠ型コラーゲンの産生が向上することが認められた。


0.001%添加でシワ改善効果を確認
内外美容成分としての提案も強化

 ヒト評価試験では、ペンタデシルに肌の保湿作用、バリア機能作用、シワ改善作用を実証している。

 0.001%ペンタデシル配合化粧水と無配合液(コントロール)をそれぞれ1日朝夕2回、4週間連続で塗布し、連用塗布による肌への効果を調べた。

 0.001%ペンタデシル配合化粧水は、塗布20分後、コントロールに比べて、角質水分量の上昇と、経皮水分蒸散量の減少が認められた。また、塗布4週間後の肌は、有意に角層水分量が上昇していることが認められた。三次元培養表皮モデルを用いた評価では、経皮水分蒸散量の減少を確認した。

 以上から、ペンタデシルは、肌の保湿およびバリア機能に対して、短時間で保湿効果を発揮する「速効性」と、使い続けることにより保湿力を向上させる「持続性」を兼ね備えた化粧品原料である。

 同様の試験で、肌のシワ改善評価(化粧品機能評価法ガイドライン)を実施した。目視およびレプリカ評価で、シワグレードとシワの深さを改善する効果が認められた。

 以上から、ペンタデシルの極微量添加により、化粧品によるシワを目立たなくする化粧品を可能とした。

 また、食品用途(ペンタデシル含有オーラン油)との内外美容の提案も行っている。食品用途では、ペンタデシル6mg/日の経口摂取により、真皮のコラーゲンが増加する効果を実証しており、内外美容成分としても提案を進めている。

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