資生堂、女性研究者サイエンスグラント第17回授賞式を開催

粧業日報 2024年8月2日号 5ページ

資生堂、女性研究者サイエンスグラント第17回授賞式を開催

 資生堂は、「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」の第17回受賞者10名(総応募数107名)を選出し、7月19日に資生堂グローバルイノベーションセンターにて授賞式を開催した。

 同グラントは、「次世代の指導的役割を担う女性研究者を支援することは科学技術の発展につながる」という考えのもと、自然科学分野の幅広い研究テーマ(理工科学系・生命科学系全般)を対象に、2007年度の設立以来、毎年最大10名の女性研究者へ研究助成を実施している。

 受賞者に贈られる各100万円の助成金は、出産・育児等のライフイベントと研究活動を両立するための環境整備(学会参加の際の託児費用や研究補助員の雇用等)にも柔軟に活用できることが特長として挙げられる。また、受賞者同士の交流が、その後の研究活動やキャリア形成のサポートにもなっている。

 日本のSTEM領域におけるジェンダー・ギャップ解消への課題認識が高まる中、同社は女性活躍推進を積極的に推進する企業として、女性研究者の支援を通じた科学技術の発展による、サステナブルな社会の実現に貢献していく。

 受賞者を代表して挨拶した金沢大学准教授の吉田直子氏は、「15年前に金沢大学に助教として赴任し、現在は准教授として偽造医薬品をテーマに研究を行っている。研究者として、これまで子育てと教育・研究活動を両立することができた背景には、周囲の理解と協力があった。今後は感謝の気持ちや自らの経験を活かして、当該分野の研究のさらなる発展を目指すと同時に、良き理解者として、次世代の育成に貢献していきたい。将来を担う若手女性研究者のロールモデルとなれるよう、自己研鑽を続けていく」と語った。

 資生堂 副社長の岡部義昭氏は、「厳しい活動環境にある女性研究者が研究指導者となり道を切り開く一助となればと思い実施し続けている。学際的な研究が広がり、異分野交流が欠かせない昨今、優秀な受賞者同士が積極的にコミュニケーションを図り、コミュニティが活性化することで、将来女性研究者間のプラットフォームに発展させられたらと考えている。当社の研究所には他の業種に比べて女性研究員、女性管理職が多く在籍しており、私達には多様性が価値創造に奏功する実感がある。受賞した先生方のリーダーシップと研究成果の集積によって日本の科学界の多様性にも道が切り開かれることを願ってやまない」と述べた。

 資生堂 チーフ DE&I オフィサーの廣藤綾子氏は、「6月に発表された世界経済フォーラムによるジェンダー・ギャップ指数では、日本は146カ国中118位と、男女格差が埋まっていない現状が示された。女性活躍やDE&Iへの関心が高まる中、社会や企業は様々な取り組みを継続することが重要と考える。資生堂はDE&Iの戦略アクションの1つである『ジェンダー平等』において、2030年までに日本国内のあらゆる階層における男女比率を機会均等の象徴である50:50にするという目標を掲げている。当社のDE&Iは長年の活動の積み重ねによるものであり、今後も絶えず変化する環境下において、多様な個性をもつ人財とともに変化していきたい。日本に根強く残る性別役割分担意識や、ライフイベントと研究の両立、環境やカルチャー等、日本の女性研究者を取り巻く研究環境は依然として厳しい面もあるが、リーダーシップを発揮し、自身がロールモデルとなり後進に道を切り開いて欲しい」とコメントした。

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