C&T 2024年9月17日号 24ページ
化粧品原料商社として1975年に創業し、OEMや容器製造なども手がけるホシケミカルズでは、2022年7月より国内総代理店として取り扱いを開始したカナダ・Syneova Ingredients社(以下、シネオバ社)の天然精油「エッセンシャルオイル」(全6種)が、原料販売とOEM・ODMの処方開発で着実に実績を積み重ねている。
シネオバ社では、10万種以上の植物や動物、その他の生物が生息するケベック北方林の中心部・サグネラックサンジャンでエッセンシャルオイルを製造し、収穫されたばかりの原料を近接する製造場所に持ち込むことにより、フレッシュで高品質な製品の提供を実現している。
シネオバ社の親会社であるSiliCycleグループでは、医薬品原薬を取り扱うことから、製品の厳密な分析と特性評価を行う大規模な研究開発部門を有している。それにより、自然豊かなカナダ北方森林のバイオマスに由来するエッセンシャルオイルの特性評価(分析)を可能としている。
また、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)やIFRA(国際香粧品香料協会)の基準を順守した安全性リスクマネジメントも実施している。
このような製造環境下で入念に蒸留されたエッセンシャルオイルは、純度と品質が保証された100%オーガニック、ピュア、ナチュラルなケモタイプ精油で、「ラブラドルティ」「バルサムポプラ」「スウィートゲイル」「ジャックパイン」「ブラックスプルース」「バルサムモミ」の6種全てがエコサート・カナダとUSDAオーガニックの認定を受けている。
6種のうち3種(バルサムポプラ、スウィートゲイル、ジャックパイン)は、ホシケミカルズが国内で表示名称を取得した日本初の原料だ。精油では珍しく、抗炎症活性の機能性データ(ラブラドルティ、バルサムポプラ、スウィートゲイル)を取得している。
「ラブラドルティ」(レデュムグロエンランジクム油)は、フレッシュ感の中にわずかに甘さを感じるハーブ調の香りで、癒し、気分向上、空気浄化、筋肉倦怠感への働きが期待される。アロマテラピーでは、抗酸化作用と抗炎症作用も期待でき、ニキビができやすい肌や脂性肌の収斂、治癒、浄化にも作用するという。
「バルサムポプラ」(ポプルスバルサミフェラ芽/小枝油)は、落ち着いたほのかに甘みのあるウッディバルサム調の香りで、痛み緩和、殺菌作用、癒し効果、細胞保護の働きが期待される。アロマテラピーでは、冬の間に収穫された芽のある小枝から抽出されたエッセンシャルオイルに存在するα-ビサボロールに抗炎症、抗菌、鎮静作用が認められているほか、神経保護作用に関する研究結果もある。
「スウィートゲイル」(ヤチヤナギ果実/小枝油)は、フレッシュさと甘みのあるウッディ調の香りで、抗酸化、癒し、免疫サポート、抗ウィルスの働きが期待される。酸性で湿った土壌に生育する特有の植物であるヤチヤナギ(ミリカゲイル)は、高い抗酸化力や芳香によるリラックス効果に優れる。
「ジャックパイン」(バンクスマツ葉油)は、森林を思わせるフレッシュでシャープなグリーンハーブ調の香りで、滋養強壮、活力、免疫サポート、抗ウィルスの働きが期待される。主成分のα-ピネンには抗アレルギーや抗酸化、リラックス、鎮静作用が知られている。
「ブラックスプルース」(クロトウヒ葉油)は、清涼感のあるフレッシュグリーンなウッディ調の香りで、鬱血緩和、浄化、活力、ストレス対策、癒しの働きが期待される。ブラックスプルース(クロトウヒ)は、栄養価の低い土壌や低照度条件で成長することで、ストレスに適合する働きである「アダプトゲン特性」を作り出す。
「バルサムモミ」(バルサムモミ葉油)は、清々しい透明感のある森林調の落ち着きのあるバルサミックな香りで、爽快な呼吸、活力、創傷治癒、気分向上の働きが期待される。アロマテラピーでは、バルサムモミのエッセンシャルオイルが気道のうっ血、風邪、咳、喉の痛みに対する自然療法として使用され、空気の清浄にも役立つという。
「OEMではこれまで洗顔や化粧水、クリーム、ジェルといったスキンケアに加え、ハンドクリームや入浴料で採用実績がある。今年4月からは、シネオバ社のエッセンシャルオイルを活用した新たなODM処方として、乾燥や外的刺激による手肌・爪のダメージを改善し、しなやかに整える『ハンド&ネイルアロマモイスチャークリーム』の提案を開始しており、新規受注につながっている。今後は香水の重ね付け(レイヤーを重ねるイメージ)からヒントを得て、エッセンシャルオイルの香りを最大限に活かしたアイテムの開発にチャレンジする予定だ」(販売推進チーム 広報主任 平地祥子氏)
関連キーワード
この記事はC&T 2024年9月17日号 24ページ 掲載
■特集/化粧品容器包装の環境対策最前線'24~循環型モデルの構築で多様な選択が可能に、原点回帰で安定供給を重視した動きも活発◎TOPPAN、サステナブルブランド「SMARTS」で社会課題を解決◎プラシーズ、リペレット機の導入で廃棄ロス削減を推進◎大阪硝子、ガラス製スポイトも幅広く品揃え◎武内容器、ロングセラー発想でリユースの考えを促進■TRENDⅠ/進化するサブスク~サブスク市場は淘汰が進み...
バラ売り
【週刊粧業】2024年下期オーラルケアの最新動向
バラ売り
【週刊粧業】2024年パーソナライズドコスメの最新動向
バラ売り
【週刊粧業】2024年ヘアケアの最新動向
バラ売り
【週刊粧業】シンクタンクが分析する2025年国内化粧品市場
バラ売り
【週刊粧業】2024年アジアンコスメの最新動向
バラ売り
【週刊粧業】ビズジーン、遺伝子検査技術を様々な分野に活かす
バラ売り
【週刊粧業】Zenken、人材獲得と企業ブランディングを両立したサービスが好調
バラ売り
【週刊粧業】2024年・年末大掃除の最新動向
紙面を探す
紙面を探す
レポートを探す
無料でダウンロード
カタログを探す
無料で見る
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、日用品、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした生産・流通産業界の総合専門情報紙。
季刊/年4回
化粧品、日用品、アクセサリーなどの業界別の市場動向をはじめ、戦略、流通、経営、マーケティングを扱う情報専門誌。
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、トイレタリー、石鹸、歯磨、日用品に関する情報の速報版。業界のエグゼクティブ必読の情報紙。
週刊/毎週月曜日発行
昭和33年に創刊された、わが国初の訪問販売化粧品業界の専門情報紙。