一丸ファルコスは、天然口腔ケア原料「ミルテクトHS」(医薬部外品表示名称=海藻エキス)の知見をさらに深め、ヒトモニター試験にて口臭に対する新たな機能性を見出した。
ミルテクトを配合した洗口液に、即時的に口臭を低減するだけでなく、持続的に口臭を低減する口臭改善作用が認められた。「天然原料で持続的な口臭を予防する」という機能的価値を新たに加えて、オーラルケア市場の活性化に貢献していく。
9月にはミルテクト配合製品のサポートを目的に専門サイト「ミルテクトオーラル研究所」を立ち上げている。
ミルテクト(MILLTECT)は、緑藻の一種であるミル(海松)から抽出したエキスで、同社初のオーラルケア専用原料として2022年より販売を開始している。
開発を担当した竹内良太氏は、「口腔環境と全身疾患は密接に関係しており、介護の現場では十分な口腔ケアを行えずに誤嚥性肺炎を引き起こす高齢者が増えているとの話を聞き、研究をスタートした」と述べ、ミルテクトに見出した特徴について次のように説明した。
「歯の表面をコーティングして、口臭やむし歯など様々な口腔疾患・トラブルの原因となるバイオフィルムの付着を抑制する働きがある。菌の増殖を抑える抗菌剤との併用により、相乗効果を示す効果も認められた」
国内では医薬部外品の添加剤としても用いられ、海外も中国や米国を中心に採用実績を伸ばしている。食のダイバーシティへの対応で、6月には韓国の認証院による「ヴィーガン認証」を取得し、ヴィーガン向けオーラルケア製品にも対応する原料としても紹介を進めている。
今後もオーラルケア原料の開発を進めていく考えで、「ミルテクトだけではカバーしきれない領域があるので、さらに広範なニーズに応えられる素材開発に向け、研究を進めていきたい」と話す。
この記事は週刊粧業 2024年10月14日号 17ページ 掲載
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