ライオン、一次データ流通基盤構築に向けた実証実験へ参画

粧業日報 2024年10月16日号 3ページ

カンタンに言うと

  • 日用品業界で初の試み、GHG排出量算定を産業界全体で効率化
  • バリューチェーン全体の排出量削減を進めるには取引先の協力が不可欠
ライオン、一次データ流通基盤構築に向けた実証実験へ参画

 ライオンは、ユニ・チャームが他の日用品メーカーや各種資材メーカー、IT企業へ連携を呼びかけた脱炭素社会に向けた「一次データ流通基盤」構築に向けた実証実験へ参画する。なお、一次データ流通基盤の構築は、国内の日用品業界において初めての試みとなる。

 今回の実証実験は、GHG(温室効果ガス)排出量の算定に必要となる一次データを共通のプラットフォーム上で流通させることを目的として行うもの。実証実験やその後の実装に向けた取り組みを通じて、デジタル技術を活用して一次データの流通を促進し、GXやDXによってGHG排出量削減の推進を目指す。

 参画企業は、日用品メーカーから花王、ライオン、ユニ・チャーム、大王製紙、資材メーカーからエム・エーライフマテリアルズ、JNC、住友精化、TOPPAN、日本触媒、三菱ケミカルグループ、レンゴー、システム提供会社からNTTコミュニケーションズで、事務局をデロイト トーマツ コンサルティングが務める。

 具体的には、「サプライチェーン連携の効率化」「データ秘匿性の確保」の2点について2024年12月完了を目指し実証実験を進める。

 煩雑になりがちなデータ授受を、データスペースプラットフォームを介して行うことにより、データ提供社が個別対応せずとも受信社が必要な情報を受け取ることができるか否かを確認し、業務効率の状況を検証する。

 従来の中央集権的なデータベースとは異なり、流通基盤管理者へのデータ提供の必要はなく、提供者と指定された開示先にのみ保存される「分散型」の仕組みを採用することで、高い秘匿性を確保していく。実証実験では、実際にデータ流通させて、安全なデータ流通の実用性を検証する。

 次のステップとして、2025年以降、実証実験の成果を公表し、サプライチェーン全体でのデータ流通プラットフォームの社会実装に向けて準備を進める。

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