大手各社の参入により、低価格帯のスキンケア分野はこれまで以上に活況を呈し、製品数の拡大で各社・各ブランドの競争も激化している。
そうした中、以前は「極めて危機感がある」と悲鳴を上げた先行メーカーの関係者もいたが、「大きく獲られているわけではない」(メーカー関係者)との声があるように、現状では各ブランドがシェアを激しく奪い合う動きにまでは発展していないとみてよさそうだ。
ロート製薬は「肌研」の販売実績(2011年4~9月)を前年同期比6%増とした。当初は競争環境の激化などを理由に、実績維持を目標としていたが、好調を維持している。
また、低価格帯を主戦場とするちふれ化粧品も、震災により注力製品の一部が供給難になる中で、主力の「CHIFURE」ブランドは売上高(同)を3%伸ばした。
ジュジュ化粧品のスキンケアシリーズ「白桃肌(しろももはだ)」も、2011年3月にパッケージを刷新して以降、「若年層のファンを獲得したという点で大きな意義があった」と好調な販売状況をうかがわせている。
男性化粧品のトップメーカーであるマンダムも、近年は女性化粧品を強化している。水クレンジング製品で構成するシリーズ「クレンジングエクスプレス」を2011年8月に新ブランド「ビフェスタ」へと刷新したのには、化粧水などを含むトータルスキンケアブランドへと育成したい狙いがあるようだ。
「特別な機能を求めるケースを除けば、『これでいいんだ』と思ったらそんなに動かないのではないか」。メーカー関係者がこう指摘するように、今後景気が好転しても、スキンケアに関しては中価格帯に再び手を伸ばす消費者は多くないとの予想もある。
今後も新たなメーカー・ブランドの参入が予想される低価格帯のスキンケア分野は、競争が一段と激しくなりそうだ。
※2011年一般化粧品メーカー(卸流通経由)の最新動向はコチラ
この記事は週刊粧業 掲載
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