週刊粧業 2014年9月1日号 9ページ
時期尚早として受託製造の展開を外部へ発信していなかったケイズ(本社=石川県金沢市)が、2015年3月期に入ってからこれをホームページに掲げてPRを開始している。
角嶋一幸社長は、容器ビジネスの傍らで実力を養ってきた中身づくりが独り立ちしたと実感を込めている。
――ついに受託製造事業社として名乗りをあげました。
角嶋 今期から打ち出している。新工場の建設に向けて用地が取得できたタイミングに合わせ、容器と中身づくりに取り組むメーカーとしての新境地へ準備を進めている。
今期になって新規採用した人材8名のうち、6名がOEMのスタッフとなっている。工場を建てるからには、適正な人員を配置して設備が回っていかなければならない。
前期はOEM事業で「利益創出プロジェクト」に取り組んだ。結果が出せなければ、中身作りから撤退も辞さない不退転の決意だった。
結果、係わった社員らはキッチリと利益を出して見せた。先行した巨額の開発投資を売上げで飲み込み、単年の最終利益を出した。勘所を覚えたからには、今期以降も継続すると信用している。
――ここまで来る課程でどんな葛藤や逡巡がありましたか。
角嶋 経営者のエゴだけで工場を建てることはできず、決意を一つに戦ってくれる社員の意志確認が必要だった。総勢の30%位が同意してくれたらと期待したところ、もっと大勢が賛同してきた。
中身作りに人を配置してから7年間、外部の応援者から知恵や力を借りながら力を蓄えてきた。
何度か撤退を考えたが、この2~3年間は、ようやくお客様が認めてくださっている実感を持つことができた。継続した甲斐があったと思う。開発の壁を乗り越えたことで現在がある。
この記事は週刊粧業 2014年9月1日号 9ページ 掲載
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