ポイントピュール、国産ヒト幹細胞培養液を提案

週刊粧業 2018年1月22日号 10ページ

ポイントピュール、国産ヒト幹細胞培養液を提案
 保守性に背を向けて新境地の開拓で存在感を高めてきたOEMのポイントピュールは、第8回化粧品開発展で国産ヒト幹細胞培養液を活用したアンチエイジング製品の提案を軸に、3日間の商談に向き合う構えを打ち出している。

 このところ、抗齢化製品の分野で鳴り物入りのように取り沙汰されてきた脂肪肝細胞由来コスメについて、ポイントピュールの大道敦社長は、地元の研究機関や化粧品ベンチャーと一体で開発に取り組んできた立ち位置から「当社が『ヒト幹細胞です』と提案しても、その他と差異化することはできない」と考えていることから、本展に照準を当てて幹細胞メニューの「+α」を模索してきたという。

 結果、独自の技術を擁する原料メーカーと接点を得ることが叶い、ヒト幹細胞を「コラーゲンで包み込み、中核へ白金ナノコロイドを入れ込むことができた」(大道社長)など一定の成果を収めた。つまり、「初の、国産ヒト幹細胞エキスのナノ化に成功」を持って本展に臨む。



 本活動は正式なアナウンスを行う前段階にもかかわらす、背景では「風のうわさがお客様の関心を生んだようで、年内から早くも引き合いをいただいていた」といい、大道社長は歓喜と戸惑いが入り交じった表情で状況を説明していた。

 1月24日に幕が上がる開発展では、早くもヒト幹細胞コスメ(仮称)を普及・浸透させていくための方策として、2カ月後に独自ブランドを用意して小ロットの要望にも対応していく。

 独自の幹細胞コスメを提案の柱に据える一方、今回の出展では、コラーゲン合成促進効果がうたえる素材「KM―DSWP」の露出で主役の脇を固める。

 富山県立大学 五十嵐康弘教授との産学体制で獲得した「KM―DSWP」は、プロコラーゲン産生促進効果が話題となって既存・新規の枠を超えて「一昨年来、多くの試作品づくりが進行している」(同)という。

 こうした独自の試みを重視している同社の展開に行政の目が届いているようで、本件の取材中、経産省などが主宰する第7回「ものづくり日本大賞」の「優秀賞」にポイントピュールが選出されたとの報が舞い込んできた。大道社長は、即座に「小さな会社だが、ものづくりが面白い会社として評価されたならば嬉しい」と述べて相好を崩していた。

 出展内容を告知する本稿の趣旨とは脱線してしまうが、大賞の栄誉に反しない受章者として、同社は今夏から2640㎡の自社用地を基盤に「素材の栽培から原料・製品づくりまで一貫して行うオーガニック事業」(同)を開始する構想を明らかにした。栽培にあたる雇用の創出で、地元に貢献したい考えもあるという。

 本件開始の動機は、OEMのメニュー拡大もさることながら「BtoCにもう1回力を入れたい」(同)と強調している。
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