【座談会】コロナ禍の長期化で見えた化粧品専門店の役割とは?

週刊粧業 2020年10月19日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 素早い決断力が鍛えられた期間、リアル体験価値の重要性も実感
  • 郊外店を中心に客足が戻る、独自の対策でお手入れ再開も
  • 空洞化する地方都市部はチャンス、他業態にはない「柔軟さ」を強みに
【座談会】コロナ禍の長期化で見えた化粧品専門店の役割とは?
 接客・カウンセリング、美容サービスを軸に顧客づくりを進める化粧品専門店は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で従来の姿を取り戻せていない中、新たな消費スタイルや生活スタイルに合った店づくり・顧客づくりを模索している。

 今回は、LOOK(本社=広島)の岡崎芳明社長、くわこや(本社=愛知)の野村和弘社長、光広(本社=岐阜)の広瀬史貴専務、星の国商事(本社=北海道)の高瀬直樹社長の化粧品専門店を経営する4名と、コロナ禍で求められた経営判断から、長期化および収束に向かう中での化粧品専門店の役割について、オンライン座談会(9月25日)を開催した。

素早い決断力が鍛えられた期間
リアル体験価値の重要性も実感

 ――全国に緊急事態宣言が発出された4~5月を中心に、コロナ禍の状況にあってどのような対応をされましたか。



 岡崎 当社は、兵庫、福山エリアともに全国に発出された緊急事態宣言が解除(5月25日)された2日後には全店で営業を再開している。

 緊急事態宣言中は、GMSタイプの2店舗(フジグラン神辺店、ポートプラザ福山店)のみ、施設が営業を続けていたため、感染対策を徹底して営業を続けた。

 感染リスクを考慮して、同じ福山エリアの店舗スタッフもローテーションに組み入れることにし土日の週末とGW期間中(5月2~6日)はデベロッパー側に申請して休業した。



 野村 当社は愛知、静岡、岐阜、三重の商業施設にテナント出店しており、外出自粛がかかった4~5月にかけて19店舗のうち13店舗が施設に合わせて休業となった。

 その間、売上は当然落ち込んだが、営業を続けた6店舗はコロナ禍の状況にあって好調に推移し、化粧品を生活に必要不可欠なものと考えている方が多いという認識をコロナ禍で強くした。

 休業中の店舗スタッフには給料を100%保証し、残りの6店は、コロナ禍でも店を開け続けることは社会的意義があることだと考え、営業を続ける決断をした。

 6店は当社の生命線だった。彼女たちは感染拡大の恐れがある中でそれを守る役割を果たしてくれた。彼女たちの頑張りに労いの意を込め、1日でも出勤してくれたスタッフ・美容部員には「緊急事態手当」を配った。



 高瀬 当社が出店している北海道は、全国的にも早い段階で感染が拡大し、札幌駅前の「アピア本店」は2月下旬からデパートの化粧品コーナーで休業するブランドが増えていった。

 3月に実施される施設側の大規模セールもなくなり、売上は2000万円以上減少した。緊急事態宣言後の4月18日から5月末日まで休業し、その後、電話やメール、ネット等で注文を受けて対応した。



 広瀬 みなさんがおっしゃるように、コロナ禍の状況にあって「決断力・判断力」が経営者として求められた。

 当社が岐阜県内に展開する4店は、いずれも化粧品専門店でありながら、路面店、テナント店などそれぞれタイプが異なり、売上や顧客の増減に違いがみられた。

 3月頃からメーカーの美容部員が時短勤務となり、4月に入ると自宅待機となり、当社スタッフのみでの営業となった。施設内には営業を続ける店舗もあったが、スタッフの安全を考えると休業という決断に至った。

 また、コロナ禍では決断力とともに、「情報収集力」も経営者は問われたかもしれない。

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