ポイントピュール、幹細胞培養エキスで新規データの取得に注力

週刊粧業 2020年11月9日号 9ページ

カンタンに言うと

  • HGF(肝細胞増殖因子)を豊富に含有
ポイントピュール、幹細胞培養エキスで新規データの取得に注力
 沖縄県・久米島の化粧品OEMポイントピュールは、国産ヒト幹細胞順化培養エキスを活用したOEM事業を展開している。幹細胞培養液の研究分析に継続的に取り組み、新規データの取得にも力を入れている。

 直近では、6種の成長因子(グロースファクター)について含有量を測定した。その結果、HGF(肝細胞増殖因子)・bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)・EGF(表皮細胞成長因子)、3つの成長因子が豊富に含まれていることが明らかになり、特にHGFについては他社比較でも約10倍に近い含有量が確認された。

 同社は引き続き、成分解析を進めるとともに、効能効果の研究や安全性データの取得に取り組んでいく。さらに、「頭髪等にも研究領域を拡大させたい」(大道敦代表取締役)と、幅広い製品提案を見据えた幹細胞研究にも意欲的だ。

 同社では、GMPに準拠した国内の細胞培養加工施設で培養された「国内培養ヒト幹細胞培養液」を提案している。培養上清液には、肌再生のカギとなるサイトカインが豊富に含まれており、ターンオーバーの正常化が期待できる。

 さらに同社では、この培養上清液を加工した独自原料「白金(プラチナ)ナノコロイドヒト幹細胞エキス」の提案にも注力している。

 同原料は、白金ナノコロイドにヒト幹細胞培養液を付着させ、コラーゲンで包み込むことで浸透性を高めることに成功した。

 こうした独自性の高い化粧品原料は既存顧客に加え、新規顧客の獲得にもつながっているという。大道代表が「消費者にも認知が広がってきた」と語るように、幹細胞コスメの需要は拡大傾向にある。

 同社のOEM事業においても、エステサロンなどの専売品に加え、通信販売などの一般化粧品からの引き合いも高まっており、その注目度は年々上昇している。

 さらに続けて「近年は、既存の美容成分と幹細胞培養液の組み合わせを重視するクライアントが多い」と大道代表は語る。

 幹細胞エキスの配合量だけでなく、美容成分を組み合わせることで販売会社は市場での差別化を図っているようだ。

 同社ではヒト幹細胞培養液のほかにも、30種類を超える沖縄天然素材や久米島海洋深層水など特長的な独自原料を取り扱っており、幅広い製品提案を実現している。

 大道代表は「海洋深層水の研究もさらに進めていきたい」と語り、素材分析にも引き続き注力していくという。

 今般のコロナ禍も、同社のOEM事業は好調に推移しており、1月中旬頃まで工場はフル稼働を予定している。

 また、沖縄県という立地性や独自原料などの強みから海外からの引き合いも多く、来年末ごろを目途に第2工場の増設も検討している。
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