ケイズ、営業のデジタルシフトを加速

週刊粧業 2021年3月22日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 今春から容器・OEMの営業を一本化
ケイズ、営業のデジタルシフトを加速
 化粧品容器の卸販売や化粧品の研究開発・製造を手がけるケイズは、コロナ禍で対面での営業が難しくなったことを受け、訪問を軸とするこれまでの営業手法を見直し、SNS活用による情報発信の強化など、新生活様式に即した営業のデジタルシフトを進めている。

 今期(2021年3月期)は、コロナ禍でも通販を軸に展開する既存クライアントの業績が好調だったほか、同社のインスタグラム公式アカウント(keiz_cosmetics)経由からの新規問い合わせが増加したことなどもあり、目標に掲げる2ケタ増収を達成する見通しだ。

 同社では、コロナ前の2019年にインスタグラムの公式アカウントを開設し、当初は就職活動でSNSを活用する学生向けにリクルート関連の情報をメインに発信してきた。

 しかし、外出自粛を余儀なくされたコロナ禍を契機に、リクルート関連に加え容器やOEMに関する投稿を開始。容器の情報を検索しやすいよう、ハッシュタグ(#ケイズ化粧品容器)で絞り込めるよう工夫している。

 現在はフォロワー数が400人を超え、インスタグラムの投稿をきっかけとする問い合わせがほぼ毎週寄せられているという。

 第一営業部第一営業課の田島聡課長は、インスタグラムを活用した営業活動について「コロナ禍で多くの取引先でテレワークや在宅勤務が普及し、それに伴いデジタルでの情報発信が重要となっている。そうした中で、会社や商品の売り込みではなく、覗いてみたくなるようなビジュアルでインパクトのある情報を発信したことで新たなお客様の獲得につながった」と振り返る。

 4月からスタートする来期は、従来まで縦割りの体制だった容器とOEMの営業部門を一本化し、連携強化と情報共有を図るとともに、1つの取引先に容器・OEMそれぞれ配置するペアリング制度を新たに導入する。

 それに伴い、営業の評価制度も変更するという。

 「これまでは個人の実績で取引先に対する貢献度を評価していたが、これからは容器だけでなくOEMも含め、取引先にどれだけ貢献できたかという会社全体の視点で評価していく。もちろん、それぞれの専門性も大事で、営業部とは別に『特販部』を新設し、ベテラン社員を中心に難易度の高い容器の案件に迅速に対応していく」(田島氏)
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