近代化学、本社工場の被災リスクを想定し防災対策を推進

週刊粧業 2021年4月12日号 25ページ

近代化学、本社工場の被災リスクを想定し防災対策を推進
 ヘアケア専門OEMの近代化学(本社=神奈川県海老名市)では、本社工場の被災リスクを想定し、関西に工場を持つ業務用ヘアケアメーカーと製造を委託する協力体制を構築している。

 BCP対策をテーマに、岡部達彦社長に話を伺った。

 ――貴社が取り組むBCP対策について、改めてお聞かせください。

 岡部 今から30年以上前に、毎月2万本を製造していた主力製品の育毛剤があったが、その化粧箱を製造する印刷工場が洪水の被害に遭い、操業停止に追い込まれた。

 相模川に程近い立地に本社工場を置く当社としても対岸の火事ではないと考え、この件を機にBCP対策を進めてきた。

 正直、本社工場が大地震や洪水などの大規模災害に被災した場合、数日での復旧は難しいと考えている。しかし、それでもサプライヤー企業としてお客様に対する製品の供給責任は果たさなければならない。

 そこで、日頃から懇意にしている関西の業務用ヘアケアメーカーに有事の際の製造委託を打診し、万が一操業できなくなった場合、再開するまで協力してもらえる体制を既に構築している。

 現時点で協力会社は1社のみだが、今後は関西圏以外にも増やしていきたい。

 ――コロナ禍では、どのようなBCP対策を推進されましたか。

 岡部 本社工場は元々、バルク製造棟と充填・包装所、粉体工場、事務所、倉庫も資材・原料・保管とそれぞれ分かれている。

 一定の場所で密になることがなかったため、新型コロナの感染者を出すこともなく、第1回の緊急事態宣言中もアルコール消毒液の製造を行うなど、工場を稼働し続けることができた。

 今後のBCP対策としては、工場内の防災設備や備品をさらに拡充し、災害時に地域の避難所として社屋が提供できるレベルを目指していきたい。

 また、事業継続性の確保といった広い視点で考えると、取引先や調達先の1社依存度が高ければそれもリスクになる。そのため、引き続き顧客とサプライヤーの新規開拓を進め、リスクの分散化を図っていく。
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