近代化学、製造面で同業他社と協力体制を構築

週刊粧業 2021年7月5日号 27ページ

カンタンに言うと

  • 大学との産学連携で研究開発に注力
近代化学、製造面で同業他社と協力体制を構築
 ヘアケア専門OEMの近代化学(本社=神奈川県海老名市)では、同業他社との協力体制を構築し、自社で対応が難しいアイテムの製造委託や災害リスクをマネジメントするBCP対策を進めている。

 ほかにも、複数の大学と産学共同で研究開発に取り組むなど、社外との連携を積極的に行っている。岡部達彦社長に話を伺った。

 ――社外連携について、これまでの具体的な取り組みをお聞かせください。

 岡部 ヘアケア製品を専門に受注製造を行っているが、例えばヘアワックスで硬いハードタイプの生産対応が難しいため、こうした依頼があった場合はまず当社で受注し、ハードワックスの製造を得意とする企業に外注している。

 同業他社との取り組みではこのほか、繁忙期などで人手不足になった場合や自然災害で被災した際など、何かあった時に互いに協力し合える体制づくりを業務用ヘアケアメーカーやOEM企業と進めている。

 研究開発に関しては、早稲田大学と植物由来成分の生理活性作用について、山口大学とウイルス不活性化に関する研究をそれぞれ行っている。

 特に近年、コロナ禍で衛生製品への需要が高まっており、当社としては手肌にやさしい保湿成分を配合したアルコールジェルをはじめ、マスク表面に付着するウイルスや菌の除去・増殖抑制などの効果が期待できるアルコール成分配合マスクスプレーなど、衛生製品の提案を強化している。

 ――今後はどのような取り組みで、社外との連携を進めていきますか。

 岡部 アライアンスに関しては、新たに自社で工場を持つメーカーのヘアケア製品づくりをバックアップするアドバイザー契約を行っている。

 当社の持つノウハウを提供し、製造方法や必要な原料、また製造時の問題点や発売後に対応すべき点、さらには申請書類の書き方などもアドバイスする。

 既に国内だけでなく、海外のメーカーからもアドバイザー契約の打診があり、新たな収益モデルの構築を目指していく。

 今後の取り組みとしては、日本固有の原料を用いたヘアケア製品づくりを外部企業と連携し、さらに進めていきたいと考えている。

 当社ではこれまで、地産地消をテーマに地元・海老名市の特産品である「苺」を用いて、我々がINCI名の取得から原料抽出まで行った「苺果汁」配合のヘアケア製品を開発している。

 次なる目標としては、日本固有の素材を用いたヘアカラーの開発だ。日本のヘアカラーの歴史を遡ると、平安時代末期の武将・斎藤実盛が白髪染めをしていた記録が残っている。

 今後は社外の様々な知見や技術を活かし、日本古来の素材を用いてかぶれの原因となるジアミンを使わず、今の時代に合う安全性と機能性を両立したヘアカラーを是非とも実現したい。
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