エア・ウォーター・ゾル、社員の意識改革から組織改革に着手

週刊粧業 2021年8月30日号 8ページ

カンタンに言うと

  • Web展示会はさらに充実化を図る
エア・ウォーター・ゾル、社員の意識改革から組織改革に着手
 エア・ウォーターグループでエアゾール製造と化粧品・医薬部外品のOEM/ODM事業を行うエア・ウォーター・ゾルは、コロナ禍の環境変化とともに社内の意識改革を推進し、人材基盤の強化を図っている。

 尾上英俊社長は、「コロナ前より推進してきた働き方改革が一気に加速した」と2021年3月期を振り返った。

 感染第1波の時にテレワークを導入した後、小集団活動でコロナ禍の働く環境づくりを進めた。

 小集団による改革は、共有フォルダのルール化など実用的なものからISOや5Sといった概念的な領域まで様々だが、尾上社長は「解決に向けて一人ひとりが自ら考えるプロセスも重視している」と話す。

 今年3月には新たに東京本社でフリーアドレスを導入した。これによって出来たフリースペースを有効活用し、情報の収集・分析機能を持ったマーケティング戦略室(仮称)を新設する予定だ。

 尾上社長は、新入社員向けに2年間の教育プログラムを導入し、教育で重視している「マーケティング思考」を「組織で活かせる環境を整え、次のステップに進めたい」と話し、こう続けた。

 「環境が変化しても変わらないものとしてCS(顧客満足)とES(従業員満足)の重要性を社員には伝えてきた。この1年と半年の間で、自ら働きやすい環境を作り上げようという意識を持って、一つの課題・問題に対し組織的に取り組む姿勢が身についてきた。自社のことなのでひいき目もあるが、本当にいい会社になってきた。こうした自主的な姿勢が成長の原動力になっていく」

 迎える下期は、Web展示会を強化し、自社の研究開発・技術開発力をアピールする。

 Web展示会は今年3月、自社HPのリニューアルを機に開設し、独自原料を使った処方開発やエアゾール技術を活かした製品などを紹介している。

 尾上社長は、「研究開発は一朝一夕で形になるものではないが、後発事業である化粧品ODMにおいても根幹部分に位置づけて取り組んでいる。展示会を通じて、当社の取り組みを広く知ってもらいたいし、より多くの方に見ていただけるように開発製品をコンスタントに展示できるような研究開発体制を整えていきたい」と述べ、新卒・中途の双方で人材の獲得・育成に力を注いでいく。
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