ライオンは9月8日、乾燥肌治療薬ブランド「フェルゼア」から、「フェルゼアプレミアム」シリーズを発売した。従来より展開する「スタンダードシリーズ」(ハンド&ボディ)のパッケージも刷新し、ブランドの一体感アップを図る。
「フェルゼアプレミアム」シリーズには、顔などの乾燥に効果を発揮する保湿成分「ヘパリン類似物質」を共通成分として配合。肌のうるおい機能を再生し、乾燥肌の改善へ導く第2類医薬品の「HPクリーム」(30g1280円)、「HPバーム」(10g980円)と、デイリーに使える医薬部外品の「薬用泡の化粧水」(80g1680円)のラインアップで、メディカル発想の「ヘパリンスキンケア」を提案する。
薬品事業部の橋本みづき氏は、発売日前日に行われたオンライン製品発表会で「フェルゼアは、今から33年前の1988年に資生堂薬品から誕生した乾燥対策ブランドで、かつては医療用で主流であった尿素をいち早く市販品として投入することに取り組んでいた。そのフェルゼアブランドを3年前にライオンが承継し、2021年9月、医薬品生まれの優れた保湿成分『ヘパリン類似物質』を有効成分として、顔などの乾燥に特化した『プレミアムシリーズ』として発売する。これをもってフェルゼアシリーズの新たな一歩を踏み出していく」と語った。
薬品事業部 橋本みづき氏
医薬部外品と医薬品の両方をラインナップ
ライオンでは、皮膚事業のさらなる強化に取り組んでおり、独自の新しい提供価値を付与することにより生活者の新しい習慣に貢献すべく、かゆみ肌に対しては「メソッド」、乾燥肌に対しては「フェルゼア」、ニキビ肌に対しては「ペア」と、皮膚に関する悩み別に3つのブランドを展開している。
「肌の乾燥治療薬」ブランドとして誕生し、肌の乾燥に向き合ってきたフェルゼアでは、長年同社が培ってきた経験・ノウハウを付加し、今回、女性にとって最もケア意識の高い「顔の肌」のことを考えた新シリーズを投入するに至った。
20~40代の女性に同社が行った調査では、43%の人が「顔」の乾燥を感じており、特に20代後半~30代後半にかけて「肌の構造自体が崩れてきた」「今までのスキンケアでは通用しなくなった」など、肌自体の変化を感じる割合が年齢とともに増えていくことがわかった。さらに、マスク生活の長期化で自身の肌に対する意識が変化し、特に顔への意識が高まっていることから、OTC皮膚薬の乾燥カテゴリー市場において保湿効果の高い成分として認知度が急速に高まっている「ヘパリン類似物質」を配合した新シリーズを立ち上げた。
「顔は人の印象を左右する重要な部位であり、顔が乾くと、その先のシワやたるみにつながることから、乾燥は美容の大敵といわれる。新シリーズでは、20代後半~30代後半の女性が『スキンケアに物足りなさを感じている』というインサイトに着目し、スキンケアの見直しの検討に入っている女性たちに向けて、今までのスキンケアでは得られなかった独自の効果実感があるスキンケアを提案する。コロナ禍においては、肌の乾燥が気になる人が増えており、新しい提案が受け入れられやすい。こうした中、1998年にOTC初のヘパリン類似物質が配合された手荒れ治療薬を発売した経験をもつ当社は、ヘパリン類似物質のもつ優れた3つの『肌のうるおいを構造から立て直す機能』『天然保湿因子を増やす機能』『肌の血行促進機能』に着眼し、デリケートな顔の肌にこそ、この成分は活かされるべきと考え、商品化を進めた」(橋本氏)
「薬用泡の化粧水」は、肌にやさしい感触のふんわり泡が角質のすみずみまで浸透。手のひらに1~2回プッシュ分をとり、両ほおにのせ、顔全体になじませると、顔の凹凸にも均一にのび広がり、摩擦の少ない塗り心地を実現する。約9割(89%)の人が事前モニター調査で使い心地のよさを実感している。
「HPクリーム」は、スキンケアをしていてもカサついてしまう乾燥肌に、外部刺激から守り保湿するクリームタイプの治療薬。2種の有効成分(ヘパリン類似物質、アラントイン)が肌の構造を修復し、本来のなめらかな肌へ導く。肌を外部刺激から保護するバリア効果の高いWOクリームを採用しており、日中のマスク使用による摩擦など、外部刺激から肌を守る。
「HPバーム」は、スキンケアをしていてもカサついてしまう目元・口周りなどの乾燥に、しっかり密着して保湿する濃厚バームタイプの治療薬。軟膏剤の中でも特に乾燥している部位にも使いやすい高密着ワセリン基剤を採用しているため、1日中動き続ける目元、口周りの動きに合わせてピタッと密着。特に乾燥している部分も外部刺激から守る。
薬品事業部 小栗奈々氏
「開発にあたっては、毎日使える医薬部外品と、治療までできてしまう医薬品の両方をラインナップすることで、購入時の心理的ハードルを下げることに加え、しっかりとした保湿ケアが重要なことから、上手にアイテムを使い分け、取り入れやすい仕様とすることにも意識して取り組んだ」(薬品事業部 小栗奈々氏)