「100個からでも作ります」のキャッチフレーズで知られる化粧品・健康食品OEMメーカーのセントラル・コーポレーション(本社=岡山県、笹山博史社長)はこのほど、幹細胞の研究者を含む2人の博士を迎え、ヒト幹細胞化粧品の研究開発体制を強化した。
「最新研究である『臍帯血由来』生ヒト幹細胞培養液は、創業来43年にわたって継続してきた研究の1つの到達点」と話す笹山社長に話を聞いた。
「臍帯血由来」の生ヒト
幹細胞培養液に注目
――化粧品業界では「幹細胞培養液コスメ」が注目を集めていますが、どのようにみていますか。
笹山 従来は保護・保湿を図る「保護化粧品」がマーケットの主軸を担っていたが、消費者はもはや単純な保護化粧品だけでは満足できなくなっている。マーケットの主役が、細胞増殖を含めたアンチエイジング化粧品へと移行していくのは必然の流れであり、実際そうなっている。
――「幹細胞培養液」も様々な種類がありますが、注目されている成分はありますか。
笹山 今、最も注目すべき成分は、「臍帯血由来」生ヒト幹細胞培養液だろう。創業来42年にわたって継続してきた研究の、1つの到達点だと考えている。しかし、一定の注意点をクリアした幹細胞培養液化粧品でなければ、効果を期待することはできない。
――どのような注意点をクリアすべきですか。
笹山 1つ目の注意点としては、単純に「配合濃度」だ。幹細胞培養エキスを1滴でも配合すれば、理屈上「幹細胞化粧品」とうたえてしまう現状がある。
2つ目の注意点は「ヒト由来」かどうかだ。例えば、クモとヒトが結びついたりしないように、「ヒトのリガンド(鍵)」を持たない、「植物由来」の幹細胞が「ヒトのレセプター(鍵穴)」と結びついて効果を発揮するというのは、細胞学の基礎知識からすると考えられないことである。
最後に、ヒト由来の幹細胞培養液の中にも、脂肪、臍帯血、骨髄、歯髄由来など、さまざまな由来の違いがあるが「ヒトの表皮を増やす」という効果に着目すると、当社が採用している「脂肪由来」や「臍帯血由来」が最適だろう。中でも注目度が高まっているのが、「臍帯血由来」だ。
――なぜ「臍帯血由来」の注目度が高まっているのでしょうか。
笹山 臍帯血由来の幹細胞培養液は、89種類ものタンパク質で構成されており、原料メーカーの試験では、増殖成分である成長因子「GDF11」の発現が脂肪幹細胞培養液よりも60倍以上多いことが確認されている。
このGDF11は、若返りタンパク質として注目されており、あの世界最高権威の学術誌である「ネイチャー」「セル」「サイエンス」にも論文が掲載された成分だ。テレビでも特集が組まれており、世界的に注目が集まっている成分といえる。
「完全独自処方」の幹細胞培養液
化粧品を「100個から」製造
――最近、「エクソソーム」という言葉を聞く機会が増えましたが、御社の原料にも含まれていますか。
笹山 もちろん含まれているが、誤解のないように説明しておくと、エクソソームという情報伝達物質は、すべての幹細胞培養液に含まれている。なお、当社の「臍帯血由来」生ヒト幹細胞培養液には、脂肪由来の1.7倍のエクソソームおよび有効成分が含まれていることが確認されている。
――幹細胞に関する研究体制の強化についてお聞かせください。
笹山 化粧品の分野は医療の研究が進歩するにしたがって、化粧品も進化させる必要があると考えている。当社では、博士号を取得した2人の専門研究家が在籍しており、幹細胞に関する研究を常に行っている。
1人目は、幹細胞による骨再生に関する研究を進めており、2018年10月24日にネパールで開催された国際学会で発表し、国内の学会では、日本再生医療学会をはじめ多数の学会にて研究成果を発表した。世界的にも研究が認められ、インパクトファクターの高い論文として掲載された。
2019年度には国から研究が認められ、個人の研究継続が承認され、研究のための助成金を支援されている。現在は、アンチエイジング作用すなわち老化細胞の除去が可能な材料の臨床応用に向けた研究を進めている。
2人目の専門研究は、歯の噛み合わせによる顔の表情筋に関するアンチエイジング研究だ。
――幹細胞培養液コスメを扱う上で、どのような注意点がありますか。
笹山 注意点としては、「完全オリジナルの幹細胞化粧品の発売元」になることが、最も重要だと考えている。当社では「完全独自処方」の幹細胞培養液化粧品を「100個からでも」製造させていただいている。
100個と簡単には言っているが、100個を5万円で作ると、粗利は1万円しかない。その1万円で、試作費や原料手配、薬事校正、送料などを算出しなければならない。つまり、支援するという根底の気持ちが無ければ、到底できないことだ。それでも、起業される方や、エステティシャンのブランドステータスの構築の支援を一生かけてやりたいと考え、この支援事業を続けている。
「100個から」ならば、ほぼノーリスクで、成長する幹細胞化粧品市場に参入することができる。まずは成功の一歩を、当社とともに踏み出していただきたい。