新日本製薬、中期経営計画「VISION2025」積極的な成長投資を

週刊粧業 2021年12月13日号 5ページ

2021年12月16日 10時00分

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 新日本製薬は11月12日、2021年9月期決算と中期経営計画を発表した。売上高は、前期比0.5%増の338億9900万円、営業利益は前期比2.8%増の34億2400万円となり、営業利益は上場来最高益を継続している。

 また、化粧品分野では、通信販売における新商品・限定商品販売の好調により、前期比1.4%増を実現した。

 好調に推移した要因と中期経営計画「VISION2025」について、代表取締役社長の後藤孝洋氏に話を伺った。

上場来過去最高益を継続、
新商品や季節限定品が牽引

 ――コロナ禍でありながら、上場来過去最高益を達成されました。

 後藤 感染防止の観点から実店舗の利用を控える方も多い中で、通信販売は定期的に利用いただくことができる。当社においては、通信販売で購入いただくお客様が大半を占めていることも好調に推移できた要因の一つだろう。

 また、昨年の秋には、「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」を発売したが、当初の見通し以上に売上が好調で、この1年間は、同商品を希望されるお客様が非常に多かった。シワ改善と美白ケアの2つを訴求した商品で、用途としてだけでなく、機能性においてもオールインワン型ということで、高い評価をいただけた。

 さらに、夏にはSPUVプロテクトパウダー、秋口から冬場にかけてはSPナイトクリームといったように、毎年季節限定品を発売しているが、昨年から今年にかけては、例年にも増して好調な売れ行きで、即完売となった。SPナイトクリームは高価格帯となっているが、スペシャルケアという分野でお客様に評価いただけたように思う。

 なお、マスク常用により、メークにかける時間は減ったものの、ミドル・シニア世代のお客様には、オールインワンスキンケアのパーフェクトワンを生活必需品として愛用いただいており、こうしたコロナ禍の機会だからこそ、改めてオールインワンジェルのシンプルスキンケアの良さを知っていただくことができたのではないか。

 コロナ禍によるコミュニケーション機会の減少によって、コールセンターとお客様との距離もさらに縮まった。それにより、ミドル・シニア世代におけるクロスセルが図れたことも好調要因の一つだと考えている。



11月には中期経営計画を発表、
グローバルブランドを目指す

 ――中期経営計画「VISION2025」について教えてください。

 後藤 パーフェクトワンに関しては、グローバルブランドに育てていくということを第一に考えている。現在、当社の化粧品は150万人のお客様にご利用いただいているが、VISION2025では、2030年までに実現したいゴールとして、現状の約3倍となる500万人を目標として掲げている。

 また、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けては、様々な免税店に展開し、そこから世界に評価いただけるようなブランドへ成長させていきたいという思いがあったが、コロナ禍によってその機会は得ることができなかった。ただ、少しずつ状況が変化しつつある中、今後は海外展開を加速させる方針で、中国市場へのマーケティング投資の強化、米国市場への本格展開に向けた取り組みを推進していく。当社が提案するパーフェクトワンのシンプルスキンケアを世界に広げていきたい。

 これまでアジアへの展開においては、店舗展開よりもインフルエンサーを活用したライブコマースなど、今までとは異なる展開を行ってきた。今後もeコマースを中心としながら、新たな戦略によってブランディングを図り、顧客化を進めていく。

 なお、今後は顧客データベースを基にしながら、お客様一人ひとりに合った製品、サービス、サポートを提案できる体制を構築していくことを目指す。売上を伸ばすだけではなく、当社のデータベースがいかに利用するお客様にとって価値ある活用につながっていくのかということを、具体的な形に示していきたいと考えている。

 さらに、ヘルス&ビューティーのリーディングカンパニーという位置づけを得られるような取り組みを進めていきたい。VISION2025には、ヘルス&ビューティーを根本に、お客様から選ばれるような事業形態に変えていき、そして成長していきたいという非常に強い想いが込められている。

 化粧品は、あくまでも美容や健康を実現する選択肢に過ぎない。お肌をきれいに、美しく整えていくための手段として化粧品があり、日常の食生活やライフサイクルも美容や健康に大きく関係する。

 美容を広く捉え、化粧品、医薬品、医薬部外品、食や健康に寄与するものを展開し、広く全般的なヘルス&ビューティーのサポートができるような体制を構築していきたいと考えている。



ノイン社との資本業務提携、
若年層の獲得に注力する方針

 ――ノイン社と資本業務提携されることになった経緯や、推進されるお取り組みについてお聞かせください。

 後藤 日本最大級のコスメショッピングアプリ・ノインの持つZ世代の顧客データベースとSNSマーケティングのノウハウ、そして当社事業との補完性や親和性の高さに着目した。それらが高いシナジー効果を発揮することで、Z世代向けの商品開発やDXへの取り組みがさらに加速することに期待し、ノインとの資本業務提携を決定した。

 当社は「パーフェクトワンフォーカス」という、20代~30代向けのスキンケアブランドを開発し、9月より発売を開始している。引き続きSexy Zoneの中島健人さんを起用し、「キミにフォーカス」というフレーズで、ドラッグストアとeコマースを中心に展開している。 

 従来のパーフェクトワンとターゲットが異なる毛穴ケアの商品のため、ノインのユーザーとの親和性は非常に高い。単にノインを通じた販売を行うだけでなく、今後の商品開発に活かせるような情報収集ができるという点において、今回の資本業務提携には大きなメリットがある。

 顧客情報を活用した商品開発は当社単独でも実現できるものの、当社と直接ご縁のないお客様やノインを利用するZ世代の情報というのは、非常に貴重であり今後の展開においても大きな武器になるだろう。

 特に、Z世代向けのブランドを展開していく上で、当社だけでデータベース化を図るのには時間がかかる。資本業務提携によって、スピード感を持って、Z世代向けブランドの領域に食い込んでいく狙いがある。

 また、Z世代は商品感度が高く、商品のブームがあっという間に広がり、その分早く利用がしぼんでいく傾向にある。だからこそ、スピード感を持った商品開発が必要になると考えた。

 今後、20代~30代に向けて、SNSを中心としたプロモーションや情報発信を行っていく上でも、ノインの持つ様々な知見を活かすことができるだろう。新たな広告戦略を構築していくための機会にもなればいいと思っている。

 ――昨年はフラット・クラフトの子会社化も実現されました。

 後藤 フラット・クラフトは、予防医療の分野でも支持され始めているMCTオイルなどを輸入・販売している会社だ。子会社化により、ウェルネスフード領域に参入し、さらなる成長と業績の拡大を目指す。

 今後も資本業務提携やM&Aを推進していく方針で、10月には担当部門を刷新した。これまでもM&Aの部門はあったものの、アライアンスとM&Aの部門として刷新することで、実現のスピード感を高めるとともに、その件数も増やすなど、取り組みの強化を図っていく。

 また、資本業務提携をはじめとしたアライアンスに関しては、双方にとって価値あるものを生み出すきっかけにしたいと考えている。



ニーズ高まるシンプルスキンケア、
タッチポイント拡大で新客獲得へ

 ――アフターコロナを見据えた展望についてお聞かせください。

 後藤 コロナ禍は、多くの方にとって、美容と健康について考える機会になったことだろう。ただ、一気に元の生活に戻ることはないにせよ、今後は、少しずつ変化し始める段階に入っていくと思われる。また、コロナ禍に突入したことで、通信販売で化粧品や健康食品を利用するユーザーが非常に増えた。今後もそうした流れは続くだろう。

 しかし、徐々にコロナ禍が落ち着きつつある中でも、マスクの利用は当面の間続くとみられる。そうした中で、手間をかけずに、納得感があり、効果が得られる、パーフェクトワンのシンプルスキンケアのニーズは今後も高まっていくことだろう。そうした期待に応えることができる、シンプル型の製品群の開発は、当社にとっての商機となると考えている。

 なお、今年4月に発売した「パーフェクトワン グロウ&カバークッションファンデーション」の売上も非常に好調に推移しており、新規顧客獲得に大いに貢献している。オールインワン型の商品のため、オールインワンジェルとの親和性も非常に良く、今後の主力商品に育てていけるよう、拡販を強化していきたい。

 これまでオールインワンジェルを中心に新規顧客獲得の戦略を展開してきたが、こういったファンデーションなど、ジェル以外のアイテムによって、今までとは異なる顧客の開拓が実現でき、大きな手ごたえを感じている。

 一方で、若年層の新規顧客開拓においては、パーフェクトワンフォーカスを中心に取り組みを進めていく。パーフェクトワンフォーカスはドラッグストアもチャネルに加えて展開しており、これまで交わらなかったお客様とのタッチポイントが、既に全国に約3300箇所のドラッグストアにおいて展開できている。今後は、全チャネルにおいて、新たなお客様との縁を形作っていきたい。

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