RAPHAS JAPAN(ラパスジャパン)は、ドラッグデリバリーシステムの一種で、医療機器・医薬品で活用されている「溶解性マイクロニードル」を用いて、美容成分を効率よく肌に届け、浸透力と安定性に優れたマイクロニードルパッチ化粧品の製造・販売事業を展開している。
3小間を構える「第12回 化粧品開発展 東京」では、顔以外に身体まで使用部位を広げた最新のマイクロニードルパッチ化粧品のOEM・ODM製品を中心に紹介するほか、子会社のブロマ研究所が持つ「高濃度乳酸菌」を配合した入浴剤とサプリメントをアピールし、身体の内外から女性の美容と健康に役立つアイテムを幅広く提案する。
今展示会の主な見どころについて、権有利(グォン・ユリ)社長に話を伺った。
ニードルの長さからパッチの形状、
配合成分まで幅広い選択肢を提案
――改めて貴社の事業概要をご紹介いただけますか。
権 当社では現在、マイクロニードルパッチ化粧品の製造・販売を主な事業としているが、「溶解性マイクロニードル」をもとに、バイオ医薬品や免疫治療薬、ワクチンパッチなど医薬品の研究開発も行っている。
2019年1月には、医療機器生産施設レベルのクリーンルームと、製造ラインの全自動化を実現した静岡工場が稼働した。昨年には、同工場内に研究所を立ち上げ、製薬メーカー出身の研究者が中心となり、化粧品の配合成分を肌の中へ効率よく届けることでより高い効能効果が得られるマイクロニードルパッチ化粧品の研究開発を進めている。
――溶解性マイクロニードルの特長についてお聞かせください。
権 溶解性マイクロニードルは日本だけでなく、韓国やアメリカ、EU、中国などで国際特許を持つ独自の製法(DEN)により、送風で水分を100%取り除くことで構造体の強度を高めたものだ。
熱などによる温度変化がないため変質の恐れがなく、配合する成分の安定性が非常に高い。
溶解性マイクロニードルの主成分は、水分によって溶け込む物性を持つヒアルロン酸がベースで、毛髪の1/3サイズの微細なニードルが皮膚の角質層に浸透し、肌の中の水分によって溶けて吸収される。
有用成分を金型に流し込んで熱などで固める従来の製法とは異なり、金型が不使用で成型時に熱を加えないため、一般的なマイクロニードルパッチと比較してニードルの長さやパッチの形状、さらには配合成分まで選択肢が非常に幅広く、付着する部位に合わせて自由に商品設計が可能だ。
そのため、目もとや口もとなどの顔以外にも、頭や胸など身体にまで広範囲にわたって、バリエーション豊富なオリジナルのマイクロニードルパッチ化粧品を提案できる。
今展示会では育毛パッチをはじめ、リフティングやバストアップといったボディライン用の新たなマイクロニードル化粧品のOEM・ODM製品を提案していく。
毛穴縮小・唇用・レチノール配合の
マイクロニードル新製品を紹介
――今展示会の見どころをお聞かせください。
権 肌が必要とする有効成分をダイレクトに届け、シンプルでも確かな効果で肌悩みを根本的に解決することが、OEM・ODM製品を開発するうえでベースとなっている。
マイクロニードルパッチ化粧品では、顔用での新たな提案として「毛穴縮小」「唇用」「レチノール配合」のOEM・ODM製品を紹介する。
コロナ禍で長時間のマスク着用により、毛穴広がりが気になる人が増加傾向にある。毛穴縮小タイプでは、皮脂分泌の抑制や肌の弾力アップのトータルケアを通じ、毛穴広がりの原因を解決していく。実際の使用経過では、皮脂分泌量が約20%減少し、水分度・弾力度が2倍に増加したことで毛穴が10%以上縮小したことが確認されている。
唇用では、抗酸化成分として知られるアスタキサンチンを配合した日本初のマイクロニードルパッチ化粧品を提案する。
従来の唇用パッチは、貼っている時に口が開けられないといった課題があったが、今回提案する唇用パッチは貼っている時も口が開けられる。使用後は、口紅を塗らなくてもアスタキサンチンの色素が唇に染み付いて血色が改善するほか、マイクロニードル自体が保湿成分(ヒアルロン酸)のため、ボリュームアップの効果も得られる。
レチノール配合パッチに関しては、特許出願中の技術により、酸化しやすいレチノールを安定化させてマイクロニードルパッチ化することに成功した。業界でも非常に画期的なアイテムになるものと期待している。
肌の悩みの根本にアプローチするといった観点では、こうしたマイクロニードルパッチ化粧品だけでカバーすることは難しい。そこで、当社としては女性膣炎の原因の1つであるカンジダ菌を抑制する乳酸菌を配合した入浴剤・サプリメントと、高濃度乳酸菌で腸内環境を改善するシロップ・顆粒のOEM・ODM製品も提案することで、内外から健やかな美肌づくりをサポートしていく。