資生堂、アールプラスジャパンに資本参加

粧業日報 2022年2月28日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 使用済みプラスチックの再資源化の推進を加速
資生堂、アールプラスジャパンに資本参加
 資生堂は、サステナブルな社会の実現に向けて、アールプラスジャパンに資本参加し、使用済みプラスチックの再資源化に取り組む。

 同社は、環境課題への対応として、「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つの戦略アクションを定め、全バリューチェーンを通じて、さまざまなステークホルダーとともに、環境負荷の軽減とサステナブルな資源の利用に向けた取り組みを推進している。

 「サステナブルな製品の開発」において、同社はサーキュラーエコノミーの考え方のもと、2025年までに化粧品容器を「リユース可能」「リサイクル可能」「生分解可能」のいずれかで、100%サステナブルな容器包装の実現を目標にし、「つめかえ・つけかえ」容器採用、使用済み容器の店頭回収などの取り組みを積極的に展開している。

 今後アールプラスジャパンや参加企業と連携し、使用済みプラスチックの再資源化を推進し、日本のプラスチックリサイクルに関わるバリューチェーンの一員としてサステナブルな世界の実現に向けて貢献していく。

 同社が資本参加するアールプラスジャパンは、米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社(Anellotech Inc.)とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進める。世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指していく。

 ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されていると言われている。今回の技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルであり、従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO₂排出量やエネルギー必要量の抑制につながることが期待される。

 「この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができる」(同社)という。
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