阪本薬品工業、グリセリン等の安定供給体制を構築

週刊粧業 2022年4月11日号 21ページ

カンタンに言うと

  • 総額100億円を超える設備投資
阪本薬品工業、グリセリン等の安定供給体制を構築
 国内唯一のグリセリン専業メーカーとして知られる阪本薬品工業では、化粧品・食品・医薬品・工業用などの様々な分野で需要の拡大が見込まれている植物由来のグリセリン・ポリグリセリン・ポリグリセリン脂肪酸エステルを安定的な品質と価格で供給すべく、一貫生産体制の強化を進めている。

 2020年3月には、赤穂工場(兵庫)において、乳化剤や機能性素材として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルの製造棟を新設し、生産能力が現行の1.5倍に拡大した。

 また、今年3月には泉北工場(大阪、写真)において、同社の主力原料で化粧品の主剤として使用されるグリセリンの製造設備を新設し、生産能力を現行の2.3倍まで引き上げた。

 今年7月には赤穂工場においてポリグリセリンプラントを増設する。これにより、保湿剤として使用されるポリグリセリンの生産能力が現行の1.8倍まで拡大するという。

 「グリセリンの製造設備は20年ぐらいのスパンで大規模な改修が必要で、既存設備の老朽化が進んでいた。それに加え、GMP基準の厳格化による管理コストの上昇といった課題に対応すべく、2工場で総額100億円を超える設備投資を実施した。人が直接的な製造にタッチしないよう生産ラインの自動化を図り、その分管理部門に社員を配置し、局方グレードをはじめ広範囲な用途の製品をより厳格に管理することで、安定的な品質と価格で製品を提供する体制が整備された。今後も生産コストの抑制に向けて企業収益をしっかりと投資する取り組みを継続し、将来的にはヤシ油やパーム油などのコスト上昇に左右されない形で、製品を安定的に提供できる仕組みや体制を構築していきたい」(同社)
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